相続税 – 墨田区錦糸町の会計事務所。アンパサンド税理士法人

Category Archives: 相続税

超速報!令和6年度(2024年度)税制改正大綱を徹底解説!

 

こんにちは。

税理士の山田です。

 

今回は令和5年12月14日に公表された『令和6年度税制改正大綱』の中から主要な項目を抜粋して解説をします。公表されたばかりの情報ですので、スピードと解り易さを重視して解説しております。読みやすさを重視しており、正確性を担保するものではございませんので、予めご了承ください。内容に誤り等がございましたら随時訂正して参ります。

 

また、税制改正大綱は税制改正の骨組となるものであり、おおむねこの通りの改正がされる予定ですが、あくまで骨組みである点はご了承ください。

 

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Ⅰ 個人所得課税

1.所得税・個人住民税の定額減税(12.18に一部記載を訂正

令和6年分の所得税と住民税について、定額による特別控除を実施する。

 

【制度概要】

① 対象者の要件

居住者であり令和6年分の所得税(住民税)の合計所得金額が1805万円以下(給与収入の場合には2000万円以下)である者(大綱を読む限り、住民税は令和6年分の住民税の合計所得金額とあるため、所得税ベースで言う令和5年分の所得で判定

 

② 特別控除の額

(所得税)

 本人分 3万円 + (同一生計配偶者扶養親族)の人数 × 3万円

(住民税)

 本人分 1万円 + (控除対象配偶者扶養親族)の人数 × 1万円

 

※ 人数のカウントは全て居住者に限定

※ 言葉の定義は下記の通り

同一生計配偶者:生計を一にする配偶者で合計所得金額が48 万円以下(青色・白色の事業専従者に該当しないもの)

扶養親族:生計を一にする親族で合計所得金額が48 万円以下(青色・白色の事業専従者に該当しないもの)

控除対象配偶者:同一生計配偶者に該当し、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下のケース

※ 住民税については、対象が控除対象配偶者に限定されているが、居住者であって控除対象配偶者を除く同一生計配偶者である場合については、令和7年度分の住民税額から1万円を控除するため、結論としては所得税と同様に、同一生計配偶者に該当すれば1万円の控除はされることになる。

 

【ケース1 給与所得者に係る特別控除の額の控除】

① 毎月の給与からの所得税額の控除

■ 令和6年6月以後最初に支払いを受ける給与等(賞与含む)につき源泉徴収をされる所得税額から特別控除の額を控除する。

■ 控除しきれない控除の額がある場合には、それ以降に支払う給与等につき源泉徴収をされる所得税額から順次控除をしていく。

■ 毎月の源泉徴収をされる所得税額から控除する場合には、配偶者の情報は「源泉控除対象配偶者」でカウントをする。(「源泉控除対象配偶者」とは、同一生計配偶者に該当し、納税者本人の合計所得金額が900万円以下のケース)

⇒ これは、現時点での「扶養控除等申告書」の様式でカウントできる情報が「源泉控除対象配偶者」に限られてしまうため。

■ 扶養親族に異動が生じたことにより特別控除の額が変わるときは、年末調整により調整する。

■ 給与明細には、特別控除の額を記載する。

 

② 年末調整での所得税額の控除

■ 令和6年分の年末調整の際には、年税額から特別控除の額を控除する。

⇒ 年末調整で再度計算をして差額があれば精算される。つまり、合計所得金額の正しい計算はこの時点で行うことになると考えらえる

■ 源泉徴収票の摘要の欄に控除した額等を記載する。

 

③ 個人住民税の控除

■ 特別徴収義務者は、令和6年6月に支払う給与からの特別徴収を行わない。

■ 令和6年分の個人住民税の額から特別控除の額を控除した金額を11分割し(端数調整あり)、令和6年7月~令和7年5月のそれぞれの給与から毎月徴収する。

■ 上記の計算がされた住民税額が各自治体から通知されてくる。

■ 上記の通り、居住者であって控除対象配偶者を除く同一生計配偶者である場合については、令和7年度分の住民税額から1万円を控除

 

※所得税の控除イメージ

 

※住民税の控除イメージ

出典:総務省「令和6年度地方税制改正(案)について」

 

【ケース2 公的年金等の受給者に係る特別控除の額の控除】

■ 令和6年6月以降に支払いを受ける公的年金等につき源泉徴収をされる所得税額から特別控除の額を順次控除していく。(考え方はケース1の給与と同様)

■ 公的年金等の受給者で、扶養親族に異動が生じたことにより特別控除の額が変わるときは、令和6年分の確定申告により調整する。

■ 公的年金等の受給者については、住民税額からの控除は所得税と同様の考え方。

  

【ケース3 事業所得者等に係る特別控除の額の控除】

■ 第1期分予定納税額(7月)から本人分に係る特別控除の額を控除する。

■ 第1期分予定納税額から控除しきれない部分の金額は、第2期分予定納税額(11月)から控除する。

■ 予定納税額の減額の承認の申請をすることで、同一生計配偶者等に係る特別控除の額についても控除を受けることができる。

■ 令和6年分の期限の延期(令和6年分のみ)

項目

現行

延期

第1期分予定納税額の納付期限

7月31日

9月30日

予定納税額の減額の承認の申請の期限

7月15日

7月31日

■ 最終的には確定申告で所得税額から特別控除の額を控除して精算する。控除対象は住宅ローン控除後の所得税額からの控除。(控除しきれない場合には、交付金等で調整がされると思われる)

 

【ケース4 住民税の普通徴収の場合】

■ 第1期分の納付額から特別控除の額を控除し、控除しきれない場合には第2期分以降の納付額から順次控除する

 

【実務上のポイントと気になる点】

■ 特別控除の順番は下記の通り

① まずは6月以降の給与又は年金から順次控除(配偶者の人数カウントは暫定的

② その後に給与の場合は年末調整で計算をして差額があれば調整

③ 最後に確定申告で計算をして差額があれば再度調整

■ 合計所得金額の算定が年の途中では困難であるため年末調整や確定申告で判定をして超えることになる場合には、特別控除の額相当額の返還がされる形になると思われる

■ 大綱の記載では、「給与等の支払者が同一生計配偶者等を把握するための措置を講ずる」との記載がある。現行での「扶養控除等申告書」では、「源泉控除対象配偶者」の記載項目しかないため、「同一生計配偶者」を把握するために(詳細は続報で確認

■ 6月以降に転職で入社した人で控除していない特別控除の額があった場合の取扱いが不明(詳細は続報で確認

 

出典:「令和5年10月26日 政府与党政策懇談会資料」(首相官邸ホームページ)

 

 

2.ストックオプション税制の要件緩和

権利行使時に経済的利益が非課税となる税制適格ストックオプションの要件が、次の通り緩和される。

 

【改正内容】

①保管委託要件の撤廃

■ 権利行使で取得した株式を証券会社等に保管委託することが要件であったが、撤廃される(ただし、譲渡制限株式で発行会社自身が株式管理をすることが要件)

②年間の権利行使価額の限度額の引き上げ

項目

現行

改正

設立から5年未満の株式会社

1200万円

2400万円

設立以後5年以上20年未満の会社で、以下のいずれかに該当する会社・未上場の会社

・上場後5年未満の会社

1200万円

3600万円

 

③社外高度人材である特定従事者がストックオプション税制の適用を受けるための要件を緩和

■ 認定対象企業の要件のうち、ベンチャーキャピタルからの出資を受けた時点での要件(資本金5講演未満かつ従業員数900人以下)を撤廃する

■ 社外高度人材の要件のうち、上場企業役員の経験については3年以上の実務要件を1年以上に緩和し、それ以外の専門家については、実務要件を廃止する

■ 社外高度人材の要件に一定のもの(教授、一定の実務経験がある未上場企業役員・上場企業の重要な使用人、など)を追加する。

 

※現行の取扱い(出典:経済産業省HP)

https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/stock_option/sogaiyou3.pdf

 

【実務上のポイントと気になる点】

■ 改正内容①により未上場の状態での権利行使であっても税制適格ストックオプションが適用しやすくなり、活用の幅が広がる

 

 

3.子育て支援に関する政策税制(住宅ローン控除等)

子育て世帯に対する支援策として、住宅ローン控除と住宅リフォーム税制について一定の拡充を行う。令和6年度のみの暫定措置で、令和7年度以降については、次年度の税制改正にて検討を行う。

 

【子育て世帯とは】

以下のいずれかに該当する者=「子育て特例対象個人」

・ 自分の年齢が40歳未満で、かつ、配偶者を有する者

・ 自分の年齢が40歳以上で、かつ、40歳未満の配偶者を有する者

・ 年齢19歳未満の扶養親族を有する者

 

【住宅ローン控除の拡充】

① 子育て特例対象個人が、認定住宅等の新築等をして居住の用に供した場合の、借入限度額は次の通りとする。(控除率は0.7%)

住宅の区分

借入限度額(現行)

借入限度額(改正)

認定住宅

4,500万円

5,000万円

ZEH水準省エネ住

3,500万円

4,500万円

省エネ基準適合住宅

3,000万円

4,000万円

 

② 令和5年末までに建築確認を受けた認定住宅等の新築等については、床面積要件が緩和(通常は50㎡以上の床面積要件が、合計所得金額1,000万円以下に限り40㎡以上に緩和)されているが、これを令和6年末まで延長

③ 子育て特例対象個人である震災特例法の住宅被災者が、認定住宅等の新築等をして居住の用に供した場合の、借入限度額は次の通りとする。(控除率は0.9%)

住宅の区分

借入限度額(現行)

借入限度額(改正)

認定住宅等

4,500万円

5,000万円

 

出典:国土交通省「令和6年度国土交通省税制改正概要」

 

【住宅リフォーム税制】

子育て特例対象個人が、所有する居住用家屋について一定の子育て対応改修工事をして、令和6年4月~12月までに居住した場合、その工事に係る標準的な工事費用相当額(250万円を限度)の10%をその年分の所得税額から控除できる。

 

 

  

Ⅱ 資産課税

1.住宅資金贈与の非課税措置延長

以下の住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等について、3年間延長する。

出典:国土交通省「令和6年度国土交通省税制改正概要」

 

 

2.法人版事業承継税制の特例承継計画の提出期限延長

非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予の特例制度(法人版事業承継税制)について、現行では2024年3月末までである特例承継計画の提出期限を、2026年3月末まで延長する。(適用期限は令和9年12月末のまま)

 

 

 

Ⅲ 法人課税

1.賃上促進税制(大企業・中堅企業向け)

大企業・中堅企業向けの人材促進税制について、次の通り見直しをする。(適用期間:令和6年4月1日~令和9年3月31日)

 

【改正内容】

① 大企業向け控除率の改正

要件の内容

現行

改正

控除率差

トリガー

控除率

トリガー

控除率

【ベース部分】

継続雇用者給与等支給額の増加割合

3%以上

15% 3%以上

10%

△5%

4%以上

25% 4%以上 15% △10%

5%以上

20%

△5%

7%以上 25%

±0%

【上乗せ①】(※1)

教育訓練費の増加割合

20%以上

+5% 10%以上 +5%

±0%

【上乗せ②】(※2)

女性子育て支援

+5%

+5%

最大控除率

30% 35%

+5%

※1 上乗せ①の要件で、教育訓練費の額が雇用者給与等支給額の0.05%以上であることが要件に追加

※2 「プラチナくるみん認定(優良な子育てサポート企業の認定)」又は「プラチナえるぼし認定(優良な女性の活躍推進企業の認定)」を受けている場合

 

②中堅企業向け控除率の改正(大企業向けとの違い部分のみ)

■ 中堅企業は、「中小企業以外の企業」で「従業員数が2000人以下の企業」(その会社の子会社を含むグループ全体で従業員数が1万人を超える場合を除く)

■ ベース部分の控除率は、トリガー(継続雇用者給与等支給額の増加割合)4%以上になると、MAXの25%となる(大企業でいうトリガー7%以上の控除率)

■ 女性子育て支援上乗せ措置に「3段階目のえるぼし認定を受けている企業」を追加

 

③ マルチステークホルダー方針を公表しなければならない企業の範囲に従業員数2,000人超の企業を追加

現行

改正

資本金が10億円以上かつ従業員数が1,000人以上の企業のみ 従業員数2,000人を超える企業が追加

 

 

2.賃上促進税制(中小企業)

中小企業向けの人材促進税制について、次の通り見直しをする。(適用期間:令和6年4月1日~令和9年3月31日)

 

【改正内容】

① 控除率の改正

要件の内容

現行

改正

控除率差

トリガー 控除率 トリガー

控除率

【ベース部分】

全雇用者給与等支給額の増加割合

1.5%以上

15%

変更なし

±0%

2.5%以上

30%

±0%

【上乗せ①】(※1)

教育訓練費の増加割合

10%以上

+10% 5%以上 +10%

±0%

【上乗せ②】(※2)

女性子育て支援

+5%

+5%

最大控除率

40%

45%

+5%

※1 上乗せ①の要件で、教育訓練費の額が雇用者給与等支給額の0.05%以上であることが要件に追加

※2 以下のいずれかの認定を受けてる場合

・「プラチナくるみん認定(優良な子育てサポート企業の認定)」

・「プラチナえるぼし認定(優良な女性の活躍推進企業の認定)」

・「くるみん認定」又は「2段階目以上のえるぼし認定」

 

② 法人税額から控除がしきれない控除額があるときは、5年間の繰越が出来る制度を追加する。

 

【実務上のポイントと気になる点】

■ 5年間の繰越が出来るようになったために、赤字である場合や控除上限(法人税額の20%)に抵触しても、最大限の控除が取れるように申告をする必要がある

■ 従前では通常の税額控除率で計算して控除上限に抵触してしまえば、上乗せ措置を検討する必要もなかったが、今後は繰越が可能であるため、可能な範囲で上乗せ措置を適用するべき

 

 

3.特定税額控除不適用規定の見直し

大企業向けの特定税額控除不適用規定について見直しを行う。

 

【改正内容】

① 要件が強化される法人について、「資本金が10億円以上かつ従業員数が1,000人以上の企業」のみでなく、「従業員数2,000人を超える企業」を追加。なお、前年度が赤字の場合には、従前より要件強化の対象外。

② 要件が強化される法人についての要件(いずれかの要件に該当しないと特定税額控除規定の適用を受けることができない)

要件

現行

改正

所得金額 対前年比で減少 変更なし
継続雇用者の給与等支給額 対前年増加率1%以上 変更なし
国内設備投資額 減価償却費の30%超 減価償却費の40%超

 

【制限対象の特定税額控除規定】

・研究開発税制(総額型、オープンイノベーション型)

・地域未来促進税制

・5G投資促進税制

・カーボンニュートラルに向けた投資促進税制

・デジタルトランスフォーメーション投資促進税制

 

 

4.中小企業事業再編投資損失準備金制度の拡充

中小企業事業再編投資損失準備金制度について、現行制度に新制度を追加して、適用を令和9年3月末まで延長する。

 

【新制度の内容】

① 「特別事業再編計画(仮)」の認定を受けた事業者が対象

② 購入する株式の金額が1億円以上100億円以下であることが要件となる。

③ 準備金の積立が出来る金額は、初回が株式取得価額の90%二回目以降は100%

(現行制度では70%)

④ 準備金取崩の期間が積立から10年経過後(現行制度では積立から5年経過後)以降5年間に渡って取崩を行って益金に算入となる。

 

【現行制度と新制度の共通の改正】

① 一定の表明保障保険契約を締結している場合には本制度の適用が受けられなくなる。

② 準備金積立後も一定の表明保障保険契約を締結すると全額の取崩が必要になる。

 

※現行の制度概要

出典:中小企業庁HP(https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/shigenshuyaku_zeisei.html

 

【実務上のポイントと気になる点】

■ 特別事業再編計画(仮)の認定手続きについて要確認(産業競争力強化法の改正)

■ 現行制度の経営力向上計画の認定に比べると、特別事業再編計画(仮)の認定手続きはかなりハードルが高いと考えらる。

■ 新制度の株式金額要件について、M&Aでは購入する株式対価の設定にあたっては、退職金の支給やM&A後の顧問料などを含めて金額の設定をするため、新制度の適用可否も含めてスキームを検討する必要がある。

■ 本制度の適用が受けられなくなる一定の表明保障保険契約について、どのような契約が該当するのか詳細の確認が必要(大綱には記載なし)

 

 

5.国内投資促進税制(戦略分野国内生産促進税制・イノベーションボックス税制)

 

【戦略分野国内生産促進税制の創設】

■ 産業競争力強化法の改正を前提に事業適応計画の認定が必要

■ 計画に基づいて産業競争力基盤強化商品の生産をするための設備(産業競争力基盤強化商品生産用資産)の購入が対象

■ 認定後10年間に渡って販売数量に応じて税額控除を行っていく

■ 控除が出来ない場合についても3年間~4年間の繰越控除がある

 

【イノベーションボックス税制の創設】

■ 無形資産への国内投資を後押しするための制度

■ 内国法人等に対して特定特許検討の譲渡・貸付を行った場合に、その事業から発生する一定の課税所得の30%相当額を損金に算入する

■ 国外への投資については制度対象外であり、国内投資のみが対象

 

  

6.交際費の損金不算入制度の除外措置拡大

損金不算入となる交際費等から除外されるいわゆる5,000円以下飲食費(社外との飲食に限る)の範囲について、金額要件を1人当たり5,000円以下から10,000円以下に引き上げる。

  

【実務上のポイントと気になる点】

■ 中小企業についてはいずれにしても年間800万円までの損金算入枠があるため影響は少ない

■ インボイス制度の適格請求書に該当しない飲食費の場合には、控除対象外消費税も上乗せした金額で単価判定が必要になるため注意が必要

 

 

7.外形標準課税制度の対象拡大

外形標準課税制度の適用対象法人の範囲について、現行の基準(資本金の額が1億円超の法人)を維持したうえで、範囲を拡大する

 

【減資への対応】

当分の間、以下の全てに該当する法人を外形標準課税の対象とする。

① 前事業年度に外形標準課税の対象であること(※)

② 当該事業年度に資本金が1億円以下であること

③ 当該事業年度に資本金と資本剰余金の合計額が 10 億円を超えること

※公布日(令和6年3月末を想定)以後に減資をして資本金が1億円以下になった法人については、①に該当するものとして扱われる。

※適用開始時期:令和7年4月1日に施行し、同日以後に開始する事業年度から適用

出典:総務省「令和6年度地方税制改正(案)について」

  

【100%子法人等への対応】

以下の全てに該当する法人を外形標準課税の対象とする。

① 資本金と資本剰余金の合計額が 50 億円を超える外形対象法人の100%子法人等

② 当該事業年度に資本金が1億円以下であること

③ 当該事業年度に資本金と資本剰余金の合計額(※)が 2億円を超えること

※公布日以後に、子会社から親会社への資本剰余金配当等があった場合には、加算した金額で判定する

※適用開始時期:令和8年4月1日に施行し、同日以後に開始する事業年度から適用

※上記改正により、新たに外形標準課税の対象となる法人に係る税負担の緩和措置が講じられる。(初年度:増差税額の3分の2を控除 次年度:増差税額の3分の1を控除)

出典:総務省「令和6年度地方税制改正(案)について」

 

【実務上のポイントと気になる点】

■ 公布日までの対応であれば適用対象から外れることも可能と思われる

■ 資本金と資本剰余金は会計上の金額を利用するが、監査法人の監査等が行われていない企業においては、会計処理で誤りがある可能性も十分考えられるので、資本取引の会計処理について精査が必要

 

8.その他

【倒産防止共済の掛け金の損金算入の特例】

■ 共済契約の解除があった後に再度共済契約を締結した場合には損金算入に一定の制限がされる

■ その解除の日から同日以後2年を経過する日までの間に支出する当該共済契約に係る掛金については損金算入できない

 

  

Ⅳ 消費税(インボイス制度)

1.国外事業者に係る消費税の課税の適正化(プラットフォーム課税など)

 【プラットフォーム課税の導入】

■ 国外事業者がデジタルプラットフォームを介して行う消費者向けの電気通信利用役務の提供のうち、特定プラットフォーム事業者を介したものについては、その特定プラットフォーム事業者が行ったものとみなす。

■ その課税期間における上記の取引金額が50億円を超える場合には、特定プラットフォーム事業者として指定される。

■ 適用開始時期:令和7年4月1日以後に行われる電気通信利用役務の提供

 

【事業者免税点制度の特例の見直し】

■ 特定期間における課税売上高による納税義務の免除の特例について、給与支払額による判定の対象から国外事業者を除外する。

■ 資本金1,000万円以上の新設法人に対する納税義務の免除の特例について、外国法人は基準期間を有する場合も、国内事業開始時点で本特例の適用の判定を行う。

 

【簡易課税制度等の見直し】

■ その課税期間の初日において恒久的施設を有しない国外事業者については、簡易課税制度の適用を認めない。

 

2.その他

 【高額特定資産の範囲拡大】

■ 高額特定資産を取得した場合の事業者免税点制度等の制限措置の対象に、その課税期間において取得した金地金等の合計額が200万円以上である場合を加える。

 

【免税購入された物品の課税仕入れについて仕入税額控除の制限】

■ 外国人旅行者向け消費税免税制度により免税購入された物品と知りながら行った課税仕入れについては、仕入税額控除制度の適用を認めないこととする。

 

【インボイス制度の自販機特例についての帳簿記載要件を緩和】

■ 帳簿のみの保存により仕入税額控除が認められるインボイス制度の自販機特例については、帳簿へ住所等の記載が必要であったが、不要とする。(令和5年10月まで遡って不要とする)

 

 

Ⅴ その他

1.GビズIDとの連携によって電子署名等の省略

法人が、GビズIDを入力して、e-Taxにより申請等を行う場合には、ID・PWの入力、電子署名・電子証明書の送信を要しないこととする。

 


超速報!令和5年度(2023年度)税制改正大綱を徹底解説!

こんにちは。

税理士の山田です。

今回は令和4年12月16日に公表された『令和5年度税制改正大綱』の中から特に気になった項目を抜粋して解説をします。公表されたばかりの情報ですので、スピードと解り易さを重視して解説しております。正確性を担保するものではございませんので、予めご了承ください。内容に誤り等がございましたら随時訂正して参ります。

また、税制改正大綱は税制改正の素案となるものであり、おおむねこの通りの改正がされることがほとんどですが、100%確実ではございません。読みやすさを重視するために文中ではまだ予定であることを態々記載していませんが、確定事項ではない点はご理解ください。

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お陰様で、本記事は大変好評頂いておりますが、ご縁ありましてKACHIELさんで税制改正解説テキストを販売することになりました。 本記事以上に気合を入れて作成しますので、購入を検討頂けると幸いです。後悔させない内容に仕上げるように尽力します。12/25までのご購入で早割が効きますので、是非是非ご検討下さい。

テキストの詳細はこちらより

(2023年1月12日追記)

上記の税制改正解説テキストが完成しました!テキストにも収録している令和5年度税制改正の全体イメージをこちらにも掲載します。

Ⅰ 所得税(源泉所得税含む)

1.NISAの抜本的拡充と恒久化

令和6年1月より現行の制度を大幅に見直して、下記のように制度が生まれ変わります。

【その他のポイント】

■ ジュニアNISAは2023年で終了

■ 限度額の計算は簿価ベースで計算、上限に達するまで出し入れは自由で何度でも利用可

■ 過去の投資枠とは別枠で利用が可能

 

【実務上のポイントと私見】

■ 何度でも出し入れができる点は利便性が非常に高い

■ 中長期で預金に持っているくらいであれば、インデックスに投資をするメリットが高い

■ 成長投資枠をつみたて投資枠のように利用することも可能

【適用開始時期】 令和6年1月より

2.スタートアップへの再投資にかかる非課税措置の創設など

M&Aなどで多額の売却益が出た際に、売却資金を元手に創業する場合やエンジェル投資家としてプレシード・シード期のスタートアップに再投資する場合に、再投資金額をした金額を株式の売却益から控除することが出来る制度を創設されました。

投資額のうち20億円までについては完全に非課税となり、20億円を超えた投資についても投資株式の取得価額から控除をすることで課税の繰り延べが行われます。

また、エンジェル税制や創業5年未満の会社がストックオプションを発行する場合のストックオプション税制についても一定の要件の緩和が行われます。

 

【対象となる投資先の主な要件】

■ 設立以後1年未満

■ 販管費/出資金額が30%を超えること

■ 株式の99%以上を特定の株主グループが所有していないこと

■ 大企業の子会社等でないこと

 

【計算例】

5億円で購入した株式を30億円で売却、売却資金を元手に税制優遇が受けられるスタートアップに22億円を投資

「所得税の計算(復興特別所得税は除いて計算)

(売却額30億円 - 取得価額5億円 - 控除22億円) × 所得税率(15%) ⇒ 4500万円が課税

「スタートアップ株式の取得価額」

取得価額22億円 - (22億円 - 20億円) ⇒ 取得価額20億円

【実務上のポイントと私見】

■ 下記の「高所得者層に対する課税の強化」との兼ね合いが重要になると思われる

■ 「高所得者層に対する課税の強化」への課税回避のためにこの制度の利用が有効だと思われる

3.高所得者層に対する課税の強化

極めて所得が高い個人についての所得税の課税が強化されます。具体的には、下記の計算式で計算した金額が所得税額を上回る場合には、差額が上乗せされて課税されます。

【計算式】 (合計所得金額 - 特別控除3.3億円) × 22.5%

【計算例】

5億円で購入した株式を30億円で売却

「所得税の計算(復興特別所得税は除いて計算)

① (売却額30億円 - 取得価額5億円) × 所得税率(15%) = 3.75億円

② (合計所得金額25億円 - 特別控除3.3億円) × 22.5% = 4億8825万円

③ ②>① になるので、 ②の4億8825万円が課税

【実務上のポイントと私見】

■ 上記「スタートアップへの再投資にかかる非課税措置」を活用すれば、この制度の適用を回避することが可能だと思われる

■ 合計所得金額の計算からは源泉分離課税の所得は除かれるので、特定口座の株式の申告の有無で税額が変わることもあり得る (2022.12.18 11:43訂正) 合計所得金額の計算では『申告不要制度を適用しないで計算した金額』とあるので、特定口座の申告の有無によって税額が変わることは無いと思われる(ただし、源泉分離課税の所得は含めずに計算する)

【適用開始時期】 令和7年以降

4.個人事業者の各種届出等の手続きの簡素化

個人事業主の各種届出等の手続きが簡素化されます。

 

【ポイント】

■ 事業の開業・廃業時の届出書の様式が統一され、複数の届出書を一括で作成出来るようにする

■ 各種届出書の提出期限を「確定申告期限まで」とすることで、確定申告書へのチェックや追記などで届出書の提出が行えるようになる予定

 

【対象となる思われる届出書】

■ 個人事業の開業・廃業届出書

■ 青色申告承認申請書

■ 青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書

■ 青色申告の取りやめ届出書

■ 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

■ 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書

 

【適用開始時期】 令和8年~令和9年

5.その他

【源泉徴収票の提出方法等の見直し】

源泉徴収票の提出先が市区町村に一本化されます。つまり、法定調書の作成にあたって給与情報の記載が不要になると思われます。

 

【年末調整関係書類の記載事項の簡略化】

扶養控除等申告書や保険料控除等申告書の記載事項が簡略化されます。

Ⅱ 資産課税

1.資産移転の時期の選択により中立的な税制の構築

相続時精算課税制度の使い勝手を向上し、次世代への資産移転をしやすくする狙いがあるようです。一方で暦年贈与については、相続対策としての利用が恒常化しており、バランスを取る形で生前贈与加算の期間が延長されます。

相続時精算課税制度について毎年110万円の基礎控除を創設

相続時精算課税制度により行われた贈与について、課税価格から毎年110万円の基礎控除が出来るようになります。また、相続税の計算において加算される金額も贈与財産の価額から過去の基礎控除額を控除した後の金額となります。

 

相続時精算課税制度による贈与財産が災害により被害を受けた場合の再計算】

精算課税制度による贈与後に、贈与財産である土地や建物が災害によって一定の被害を受けた場合には、相続税の計算において加算される金額は贈与財産の価額から災害を受けた金額を控除した金額とします。

 

【生前贈与加算制度の見直し(加算期間の延長)】

暦年贈与により生前に贈与を受けていた財産について、相続時に加算される贈与期間が相続前3年間から相続前7年間に延長されます。ただし、延長した4年間の贈与について総額100万円までは相続財産に加算しない措置が取られます。延長の期間は令和9年以降の相続から随時延長がされ、令和13年に7年間に達します。

 

【実務上のポイントと私見】

■ 暦年贈与による生前贈与加算制度では相続時に加算される際には基礎控除額が控除されない一方で、精算課税贈与では基礎控除額が控除されることになったため、相続前7年間の贈与は暦年贈与より精算課税贈与の方が有利になる

■ 基礎控除額を利用して相続税対策を行う場合には、精算課税贈与の選択が以前よりもしやすくなった。

■ 相続前7年間はいずれの制度を利用した贈与財産であっても相続財産への加算が必要となるため、相続時の預金調査が以前よりも重要になってくる

■ 災害をうけた場合の判定についての考え方はどうなるか?(雑損控除の考え方を引用するか?)

 

【適用開始時期】 令和6年1月以降

2.教育資金や結婚資金等の一括贈与に係る非課税措置の見直しと延長

【教育資金の一括贈与に係る非課税措置】

適用期限を3年間延長し、契約終了時に残高が残っていた場合にかかってくる贈与税の税率は本則の税率で計算をすることになりました。また、契約期間中に贈与者が死亡した場合で、贈与者の相続税の課税価格が5億円を超える場合には、受贈者の年齢に変わらず残高を相続財産に加算することになりました。

【結婚・子育て資金の一括贈与に係る非課税措置の見直し】

適用期限を2年間延長し、契約終了時に残高が残っていた場合にかかってくる贈与税の税率は本則の税率で計算をすることになりました。

Ⅲ 法人課税

1.オープンイノベーション促進税制の拡充

対象となる特定株式に発行法人からの株式発行以外に既存株主からの購入で一定の要件を満たすものを追加した一方で、取得価額の上限を100億円から50億円に引き下げます。また、購入から5年以内に一定の成長要件を満たせば減税効果が継続することになります。

【オープンイノベーション促進税制とは?】

オープンイノベーションを目的としてスタートアップ企業の株式を取得する場合に、取得価額の25%を課税所得から控除できる制度です。現行制度の詳細は経済産業省のHPを参照して下さい。

https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/open_innovation/open_innovation_zei.html

2.研究開発税制の見直しと延長

研究開発税制は次の見直しを行います。

【見直しのポイント】

■ 税額控除率を調整し、試験研究費の増加による控除率のカーブを見直された。

■ ビッグデータを活用した「サービス開発」のための試験研究費の範囲として、従来は新たにビッグデータを収集する場合のみが対象であったが、既存のビッグデータの活用も対象として認められた。

■ 従来はデザインに基づく「設計・試作」であって性能向上を目的としていなくても試験研究費の対象とされていたが、性能向上を目的としないことが明らかな「設計・試作」は対象から除外された。

3.中小企業投資促進税制等の見直しと延長

中小企業のための優遇税制である中小企業投資促進税制(7%税額控除・30%特別償却)と中小企業経営強化税制(10%税額控除・100%即時償却)の対象財産から一定のコインランドリー設備とマイニング設備が除外されることになりました。

【中小企業投資促進税制】

中小企業投資促進税制の対象設備からはコインランドリー業(主たる事業でない場合)の機械装置でその管理の大部分を外部に委託しているものを除外することになりました。

【中小企業経営強化税制】

中小企業経営強化税制の対象設備からはコインランドリー業か暗号通貨マイニング業(主たる事業でない場合)の機械装置でその管理の大部分を外部に委託しているものを除外することになりました。

中小企業経営強化税制の適用には一定の手続きが必要になるため詳細は中小企業庁のHPを確認してください。

https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/

 

【実務上のポイントと私見】

■ コインランドリー設備やマイニング設備は設備投資を全額即時償却が出来ることで課税の繰り延べ策として利用される側面があったため、それを回避する改正

■ ここ数年、国としては課税の繰延策をブロックする意向が明らかにあるため、ギリギリを攻めているような繰延策については、強攻策に出てくる可能性もあると考える

【適用開始時期】 令和5年4月1日以降

4.株式交付税制の見直し(同族会社を対象から除外)

株式交付税制の対象となる株式交付親会社が同族会社(非同族の会社が株主のケースを除く)に該当する場合には税制の適用を受けられなくなります。

【実務上のポイントと私見】

■ 株式交付税制はどこの子会社でもない会社(50%支配を受けていない)が対象

■ 上場前などに一定の状態で資産管理会社を作る際にも株式交付制度の利用が出来てしまっていたために、それをブロックするための改正

【適用開始時期】 令和5年10月1日以後に行われるもの

5.暗号資産の評価方法等の見直し

暗号資産の発行会社が自社発行の暗号資産を発行時から継続して保有する場合等については、その暗号資産は時価評価から除外されることになりました。

【実務上のポイントと私見】

■ 多額の納税によって暗号通貨発行法人の資金が枯渇してしまい、事業継続が困難であったための措置

6.その他

【特定の資産の買換えの圧縮記帳の見直しと延長】

既成市街地等内から既成市街地等外への買換えが対象から除外されるなど、一定の見直しがされたうえで制度が3年間延長されました。

【DX投資促進税制の見直しと延長】

DX認定基準を改定し、人材促進・確保等に関連する事項を要件化するなど、一定の見直しがされたうえで制度が2年間延長されました。

Ⅳ 消費税(インボイス制度)

1.小規模事業者に対する納税額に係る負担軽減措置

一定の小規模事業者であるインボイス発行事業者は、消費税の納付税額を売上に係る消費税額の2割の金額とすることが出来ることとなります。

【適用対象事業者】

下記のいずれかに該当するインボイス発行事業者

■ 免税事業者が適格請求書発行事業者になった場合

■ 課税事業者選択届出書を提出したことにより課税事業者になっている場合

⇒ つまり、基準期間の課税売上高が1000万円以下であるインボイス発行事業者が対象

【その他のポイント】

■ 令和5年10月1日より前から課税事業者を選択している場合には、令和5年10月1日の属する課税期間では適用出来ない

■ 課税事業者選択届出書を提出したことで、令和5年10月1日の属する課税期間から課税事業者となる場合には、その課税期間中に選択不適用届出書を提出すれば、課税事業者選択届出書は効力を失う

■ 消費税の申告書に適用を受ける旨を付記するだけで適用が可能

■ 当該特例の適用を受けた課税期間の翌課税期間中に簡易課税の選択届出書を提出すれば、提出をした課税期間から簡易課税の適用が可能(インボイス制度の適用初年度の課税期間については現行制度でも届出を提出をした課税期間から簡易課税の適用が可能なため、翌期についてもOKとなった)

【実務上のポイントと私見】

■ 原則課税と簡易課税と当該特例の3通りの計算が可能なため、より詳細なシミュレーションが必要となる

■ 当該特例は申告書への記載のみで適用が受けられるので、実際の消費税額の計算後に有利な選択が出来る

■ 逆に選択を誤ると税理士には賠償責任が発生する可能性が考えられる

■ 当該特例の更正の請求の可否は現時点では不明

【適用課税期間】 令和5年10月1日~令和8年9月30日までの日の属する課税期間

2.中小事業者等に対する事務負担の軽減措置

一定の中小事業者は、対価が1万円未満の課税仕入については、インボイスの保存が無くても帳簿の保存のみで仕入税額控除の適用を認めることになります。

【適用対象事業者】

下記のいずれかに該当する事業者

■ 基準期間における課税売上高が1億円以下である

■ 特定期間における課税売上高が5000万円以下である

【実務上のポイントと私見】

■ 逆に売上が1億円を超える事業者は少額なものについても全てインボイス番号の確認と書類の保存が必要になる

■ クレジットカードで決済した経費などについても全てインボイス番号の確認や書類の保存が必要になるために書類の管理やオペレーションが非常に煩雑になることが想定される

【適用時期】 令和5年10月1日~令和11年9月30日までの間に行う課税仕入

3.少額な返還インボイスの交付義務の見直し

税込価格が1万円未満の売上返還については、返還インボイスの交付義務が免除ことになります。

【実務上のポイントと私見】

■ 売上が入金される際に振込手数料などを控除して振り込まれる場合などが対象

【適用開始時期】 令和5年10月1日以後に行う課税資産の譲渡等に係る対価返還が対象

4.登録申請手続の柔軟化

インボイス制度に係る届出書の提出期限について柔軟化がされました。

【免税事業者が登録申請をする場合】

免税事業者が課税期間の初日からインボイス発行事業者として登録を受けようとする場合の提出期限について、現行の課税期間の初日から起算して1月前であったのものが15日前までに緩和されます。

【登録の取消しを求める場合】

インボイス発行事業者が登録の取消を求める場合の届出書の提出期限について、取消を受けようとする課税期間の初日から起算して30日前の日の前日であったのものが15日前までに緩和されます。

【経過措置により10月1日より後で登録を受けようとする場合】

10月1日より後の日付でインボイス発行事業者の登録を受けようとする場合の登録申請書について、登録を受けようとする日から起算して15日前までに提出していれば、希望日に登録が受けられることになります。

【令和5年10月1日からインボイス発行事業者の登録申請を受ける場合の申請期限】

本来の申請期限は令和5年3月31日であるものが、困難な事情がある場合に、令和5年9月 30 日までの間にその困難な事情を記載して提出し、税務署長により適格請求書発行事業者の登録を受けたときは、令和5年10月1日に登録を受けたこととみなされる措置が設けられていました。この措置について、困難な事情の記載が撤廃され、実質的に令和5年9月30日が期限になったことになります。

Ⅴ 国際課税

1.グローバルミニマム課税の創設

多国籍企業グループの総収入金額が7億5000万ユーロ相当以上である場合に、最低税率15%に至るまでの課税がされる仕組みが創設されます。

2.タックスヘイブン税制(CFC税制)の見直し

タックスヘイブン税制について下記の見直しがされます。

■ 合算課税から免除される特定外国関係会社の租税負担割合の判定が、現行の30%以上から27%以上に引き下げられます。

■ 申告書に添付する外国関係会社に関する書類で株主関係を記載する書類について、その書類に代えて株主関係図に記載事項を埋めたもので代用が出来ることになる

Ⅵ 電子帳簿保存制度

1.電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存制度の見直し

電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存制度について要件の緩和が行われました。

【検索要件を不要とする措置】

下記のいずれかの場合において、税務調査等の際にデータのダウンロードに応じることが出来る場合には、検索要件を不要とされます。

■ 判定期間における売上高が5000万円以下である場合

■ 出力書面が整然かつ明瞭な状態で、取引年月日や取引先ごとに整理がされている場合

【出力書面での保存について猶予措置について】

令和4年1月~令和5年12月までの期間については、税務署長がやむを得ない事情があると認め、税務調査等の際に整然かつ明瞭な状態で出力された書面の提示が可能であれば、書面での保存が認められていました。従前にプラスして、電子保管対応が出来ないことに相当の理由があり、データのダウンロードの求めにも応じることが出来るようにしておけば、電子帳簿保存の要件が充足されることになります。

つまり、実質的にはほぼ紙保管が認められることになると考えます。

2.その他

優良電子帳簿の範囲の見直し

優良電子帳簿の範囲が以前は全ての帳簿であったが、「その他必要な帳簿」について一定の補助帳簿に限るものとなりました。具体的には、売上帳、仕入帳、経費帳、売掛帳、買掛帳、手形記入帳、貸付帳、借入帳、未決済項目に係る帳簿、有価証券受け払い簿、固定資産台帳、繰延資産台帳などです。

【スキャナ保存制度の見直し】

国税関係書類について、下記の要件緩和がされることになりました。

■ 解像度や大きさなどの情報について保存要件が廃止

■ 入力者等情報の確認要件が廃止

■ 相互関連性の保持要件が契約書や領収書等の重要書類に限定

Ⅶその他の納税環境整備

1.高額な無申告に対する無申告加算税の割合の引上げ

納付すべき税額が300万円を超える場合には、超える部分の無申告加算税の割合を30%に引き上げることになりました。(現行では、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%)

また、更正の予知がない場合の期限後申告等については、300万円を超える部分の無申告加算税の割合を25%に引き上げることになりました。(現行では、50万円までは10%、50万円を超える部分は15%)

2.一定期間繰り返し行われる無申告行為に対する無申告加算税等の加重措置の整備

3回連続で期限後申告が行われる場合には、無申告加算税を10%加重する措置が取られることになります。

Ⅷ 次年度以降に持ち越しがされたもの

1.外形標準課税のあり方

資本金を1億円以下に減資すると外形標準課税の課税から逃れることが出来るため、以前と比べて課税対象となる法人数が3分の2まで減っているようです。外形標準課税の対象から外れている実質的な大規模法人については、制度の見直しを今後に検討する方針です。

2.マンションの相続税評価について

マンションについては、市場での売買価格と通達による相続税評価額に大きく乖離が見られるケースがあり、適正化について今後に検討をする方針です。

3.防衛力強化に係る財源確保のための税制措置

日本国の防衛力強化を目的として、安定的な財源を確保するために、令和6年以降に適切な時期で下記の内容で措置が講じられる予定です。

■ 法人税 法人税額に対して税率4~4.5%の付加税を課す

■ 所得税 所得税額に対して税率1%の付加税を課す

■ 復興特別所得税 課税期間を延長したうえで、税率を1%引き下げる

■ たばこ税 3円/1本相当の引き上げを行う


超速報!令和4年度(2022年度)税制改正大綱を徹底解説!

こんにちは。

税理士の山田です。

 

今回は令和3年12月10日に公表された『令和4年度(2022年度)税制改正大綱』の中から特に気になった項目を抜粋して解説をします。公表されたばかりの情報ですので、スピードと解り易さを重視して解説しております。正確性を担保するものではございませんので、予めご了承ください。内容に誤り等がございましたら随時訂正して参ります。

また、税制改正大綱は税制改正の素案となるものであり、おおむねこの通りの改正がされることがほとんどですが、100%確実ではございません。読みやすさを重視するために文中ではまだ予定であることを態々記載していませんが、確定事項ではない点はご理解ください。

 

なお、一部で話題になっていた『相続税と贈与税の一体化』については、今回の改正では織り込まれていません。引き続き検討を進めるようですが、早くても再来年以降の税制改正項目ということになりますので、改正のタイミングとしても早くても令和5年4月以降になります。

 

※令和4年度(2022年度)税制改正大綱についてはこちらをご覧ください。

https://www.jimin.jp/news/policy/202382.html

 

Ⅰ個人所得税課税(地方税含む)・源泉所得税

  1. 住宅ローン控除の改正

従前では令和3年において住宅ローンを組んで自宅を購入した場合に、借入限度額を5000万円(住宅の取得等が特定取得以外の場合は3000万円)として、住宅借入金の年末残高に対して1%の税額控除を10年間適用出来る取扱いとなっていましたが、令和4年以降も延長はするもの主に増税傾向となります。具体的には下記の表の取扱いとなります。

種類

居住年

借入限度額

控除率

控除期間

認定住宅等以外の居住用家屋の新築等

令和4年~5年

3000万円

0.7%

13年

令和6年~7年

2000万円

10年

認定住宅等以外の中古家屋の取得等

令和4年~7年

認定住宅(認定長期優良住宅と認定低炭素住宅)の新築等

令和4年~5年

5000万円

13年

令和6年~7年

4500万円

ZEH水準省エネ住宅の新築等

令和4年~5年

4500万円

令和6年~7年

3500万円

省エネ水準適合住宅の新築等

令和4年~5年

4000万円

令和6年~7年

3000万円

認定住宅等の中古家屋の取得等

令和4年~7年

3000万円

10年

※ 本税制の適用対象者はその年の合計所得金額が3000万円以下であることが要件となっていましたが、令和4年以降は2000万円以下が要件に引き下げられます。

※ 中古住宅の取得については、従来設けられていた築件数要件が撤廃される一方で、新耐震基準に適合する住宅であることが要件となります。

 

控除率が下がるのは住宅ローンの金利が大幅に下がりいわゆる逆ザヤ状態になってしまっていたためにそれを解消する措置となります。つまり、住宅ローンの変動金利が0.5%を下回ることも珍しくなくなってしまうほどの低金利であり、支払う住宅ローンの金利よりも本税制の控除額の方が多くなってしまうという現象が生じてしまっていたためとなります。

従前の新型コロナ税特法においては一定の条件で借入限度額を5000万円、控除率1%、控除期間は13年間とする取扱いが令和4年まで可能ですが、その点は特に変更がないと思われます。(大綱に詳細はなし)

 

  1. 子会社等からの配当に係る源泉所得税を廃止

以下の会社からの配当については、所得税の源泉徴収を行わないこととします。適用時期としては、令和5年10月1日以降に支払いをすべき配当について適用されます。

・ 完全子法人株式等(100%保有の子会社)

・ 基準日に置いて直接保有する株式等の保有割合が3分の1超である子会社

 

  1. 配当が総合課税とされる大口株主の範囲を拡充

上場株式等の配当等については源泉分離課税が適用されるところですが、大口株主が受け取る配当についてはこの制度が適用されずに、非上場株式からの配当と同様の取扱いとして、20.42%の源泉徴収がされたうえで総合課税により確定申告が必要とされています。

従来はこの大口株主の範囲として、直接にその会社の発行済株式の3%以上が保有する方が対象となっていましたが、その方が支配関係を持つ同族会社がその会社の株式を持っている場合に、3%の判定に含めることになる予定です。この改正は、令和5年10月1日以後に支払うべき配当等について適用がされます。

なお、私見ですが3%の判定おいては分母である発行済株式総数に自己株式を含めて判定することになっており、この点についても本来は改正がされるべき点であると思われますが、今回の大綱には含まれていません。将来的に改正となる可能性は高い部分ではないかと考えます。

 

  1. 納税地の変更に関する届出書

納税地が変更した場合には、税務署長に届出書を提出するルールとなっておりましたが、令和5年以降については届出書の提出が不要となります。(個人消費税についても同様)

 

  1. 上場株式等の配当所得割に係る課税方式の改正

個人住民税において、特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得の課税方式を所得税と一致させることとなりました。恐らくですが、これは所得税と住民税について別々の課税方法を選択することで、上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除額が所得税と住民税で不一致になってしまうことを防ぐ措置であると思われます。

 

Ⅱ資産課税

  1. 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税措置

適用期限(現行は令和3年12月31日)を令和5年12月31日までに延長し、限度額については下記の通りとなります。

・ 通常の住宅 500万円

・ 耐震、省エネ又はバリアフリーの住宅用家屋 1000万円

 

  1. 非上場株式等に係る納税猶予の特例制度

特例承継計画の提出期限が現行は2023年3月末までとなっていますが、1年延長してい2024年3月末までとなります。

 

  1. 添付書面等記載事項の提供方法の見直し

相続税の申告書の添付書類の提供方法に、光ディスク及び磁気ディスクが追加されました。相続税の申告書の添付書類は膨大な量となりますが、電子申告の添付データについては容量が限られているために取られた措置であると推察します。

 

  1. 財産債務調書制度等の見直し

まずは提出義務者が拡大され、現行の提出義務者にプラスでその年の12月31日において有する財産の価額の合計額が10億円以上である居住者が追加されました。

一方で提出期限については、現行は翌年の3月15日までとされていたものが翌年の6月30日に延長がされました。こちらの改正は国外財産調書についても同様の改正となります。

 

Ⅲ法人課税(地方税含む)

  1. 人材確保等促進税制の改正(いわゆる大企業向け)

従来の人材確保等促進税制を改正し、下記の変更が行われます。対象となる給与額の計算については、令和3年3月31日以前の開始事業年度に対する取扱いに戻る形になると思われます。(この1年間は一体なんだったのか・・・)

改正項目

現行

改正

適用期間

令和3年4月1日から令和5年3月31日までに開始する事業年度 令和4年4月1日から令和6年3月31日までに開始する事業年度

適用要件

新規雇用者給与等支給額(※)が、前年度より2%以上増えていること

※    国内新規雇用者のうち雇用保険の一般被保険者に対してその雇用した日から1年以内に支給する給与等の支給額

継続雇用者給与等支給額(※)が、前年度より3%以上増えていること

※    当期及び前期の全期間の各月分の給与等の支給がある雇用者で一定のもの(おそらく雇用保険の一般被保険者)に対して支給する給与等の支給額

控除額計算

控除対象新規雇用者給与等支給額(※)の15%

※    国内新規雇用者に対してその雇用した日から1年以内に支給する給与等の支給額

控除対象雇用者給与等支給増加額(※)の15%

※    明記されていないが、おそらく役員と役員親族以外の全従業員に対する給与等の支給額についての前年からの増加額

上乗せ措置

①教育訓練費の額が、前年度より20%以上増えている場合には、税額控除率を5%加算

 

①継続雇用者給与等支給額の増加割合が4%以上である場合には、税額控除率を10%加算

②教育訓練費の額が、前年度より20%以上増えている場合には、税額控除率を5%加算(変わらず)

教育訓練費の明細書

確定申告書の添付 会社保管

※ 資本金の額が10億円以上であり、かつ、常時使用する従業員の数が1000人以上である場合には、一定の事項を経済産業大臣に届出が必要

※ 人材確保等促進税制について

https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/syotokukakudaisokushin/syotokukakudai.html

 

  1. 所得拡大促進税制の改正(中小企業者限定)

従来の所得拡大促進税制を改正し、下記の変更が行われます。

改正項目 現行 改正
適用期間 令和3年4月1日から令和5年3月31日までに開始する事業年度 令和4年4月1日から令和6年3月31日までに開始する事業年度
上乗せ措置 雇用者給与等支給額の増加割合が2.5%以上であり、次のいずれかに該当する場合は税額控除率を10%加算

①教育訓練費の額が、前年度より10%以上増えている場合

②経営力向上計画の認定を受けて、かつ証明がされた場合

①雇用者給与等支給額の増加割合が2.5%以上である場合には、税額控除率を15%加算

②教育訓練費の額が、前年度より10%以上増えている場合には、税額控除率を10%加算

※ 所得拡大促進税制について

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/syotokukakudai.html

 

  1. 大企業向けの税額控除制限措置の改正

大企業向けの研究開発税制等の特定税額控除規定の適用を受けることができないこととする措置について要件が改正されます。資本金の額が10億円以上であり、かつ、常時使用する従業員の数が1000人以上である場合で、かつ、前年度の課税所得金額がプラスであるときについては、継続雇用者給与等支給額の前年からの増加割合が1%以上(令和4年4月1日から令和5年3月31日までに開始する事業年度は0.5%以上)でなければ、特定税額控除規定の適用を受けることが出来ません。

 

  1. みなし配当の計算について

資本の払い戻しに係るみなし配当の額の計算について、払戻等対応資本金額等はその払い戻しにより減少した資本剰余金の額を限度とすることになりました。(従前は取扱い無)

また、種類株式を発行する法人の資本の払い戻しに係るみなし配当の額の計算について、種類資本金額を基礎と計算することになりました。(従前は取扱い無)

 

  1. 少額資産の損金算入制度について貸付用資産を除外

下記の規定について貸付の用に供する資産を対象から除外します。ただし、主要な事業として行われるものを除きます。

・ 少額の減価償却資産の取得価額の損金算入制度(10万円未満の少額資産)

・ 一括償却資産の損金算入制度(20万円未満の一括償却資産)

・ 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入特例(30万円未満の少額資産)

 

  1. グループ通算制度の投資簿価修正の改正

グループ通算制度ではグループ離脱時の、通算子法人株式の譲渡原価の計算を税務上の簿価純資産を元に計算するような仕組みとなっていましたが、これでは子法人買収時の買収プレミア相当額を税務上の損金として算入出来なくなってしまうことが問題視されていましたが、改正が行われました。

改正としては、グループ離脱時における各法人の確定申告において一定の計算明細を添付することで、子法人株式の帳簿価額に資産調整勘定等対応金額を加算するような調整計算が行われます。資産調整勘定等対応金額とはグループ通算開始時に時価取得をしたその子法人株式の取得価額のうち、仮にその時点で合併をしたものとした場合における資産調整勘定又は負債調整勘定相当額とされています。

個人的な意見として、負債調整勘定相当額が調整計算に含まれているのは、買収時の負ののれん相当額が離脱時に損金に算入されることを防ぐ措置であると思われますが、そもそもの取扱いが明細書の添付を要件としている規定となっており、不利な取扱いの場合には明細書の添付をあえてしないことで課税を免れることが出来るのか否か、という点が気になる点となります。

また、グループ離脱時の時価評価資産の取扱いで、帳簿価額が1000万円未満である資産については時価評価資産から除外されていますが、営業権については帳簿価額が1000万円未満であっても除外されないことになりました。

 

  1. ソフトバンクグループ対策税制の改正

ソフトバンクグループ対策税制とは、50%超の支配関係がある子会社からの配当を適用対象として、その株式等の簿価の10%を超える配当が行われた場合に、株式の簿価の切り下げを行う措置となります。ただ、適用除外要件として下記のような配当については対象から除外されます。複雑な制度となりますが、詳細は割愛しております。

① 設立以来90%以上国内資本のみの内国法人からの配当

② 買収後に発生した利益剰余金からの配当

③ 10年超支配継続している会社からの配当

④ 2000万円以下の配当

また、適用回避防止規定として、子法人が一定の孫法人(適用除外要件の①か③を満たす法人以外である法人)から1事業年度中に受ける配当等の額が、孫法人株式等の帳簿価額の10%を超え、かつ、2000万円を超える場合には、適用除外要件を満たさない措置が従来から取られています。

このソフトバンクグループ対策税制として、下記の2点の改正が行われます。こちらは令和2年4月1日以後の開始する事業年度から遡って適用するようです。

① 一点目として、上記適用除外要件の②について、従来は特定支配日の直前事業年度から配当決議等の直前事業年度までの利益剰余金額の増加額が配当金額を超えている場合には適用除外とされる措置が取られていました。ただし、このルールでは『配当決議等の直前事業年度から配当決議等までの間に増減した利益剰余金額』を原資として配当した場合には、適用除外要件を満たすことが出来ないことから、一定の書類保存を要件として上記の金額を計算に反映させることが可能となります。ただし、その場合には『特定支配日の直前事業年度から特定支配日までの間に増減した利益剰余金額』についても調整が必要となります。

② 二点目として、適用回避防止規定については孫法人が以下の要件を満たす場合には適用しないこととします。つまり、子法人は適用除外要件を満たせば本税制の適用を回避出来ます。

・ 配当等の基準時以前10年以内に子法人との間に特定支配関係があった孫法人の全てが、孫法人の設立時からその基準時まで継続してその子法人の特定支配関係にあった場合

・ 親法人と孫法人の間に、その孫法人の設立時から孫法人から子法人への配当等の基準時まで継続して親法人による特定支配関係がある場合で、かつ、その基準時以前10年以内に孫法人との間に特定支配関係があったひ孫法人の全てが、ひ孫法人の設立時からその基準時まで継続してその孫法人の特定支配関係にあった場合

 

  1. 大法人に対する事業税所得割の税率の見直し

外形標準課税適用法人については、令和4年4月1日以後の開始事業年度から軽減税率適用法人に該当しないことになり、所得割の標準税率は一律で1%となりました。

 

Ⅵその他

  1. 隠蔽仮装行為があって確定申告書が提出された場合等の措置

隠蔽仮装行為があって確定申告書が提出された場合や確定申告書の提出が無い場合には、帳簿書類や明らかな証拠書類等が無い限りは、その明らかなエビデンスが準備出来ない経費については損金の額に算入しないような措置が取られるようです。これは証拠書類が無い場合に調査で水掛け論になることを防ぐために取られた措置であると思われます。

 

  1. 修正申告書や更正の請求書の記載事項の整備

修正申告書や更正の請求書の記載事項より、申告前又は更正前の「課税標準等」「納付すべき税額の計算上控除する金額」「還付金の額の計算の基礎となる税額」を除外することになりました。これにより様式が簡略化されると思われます。

 

  1. 電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存の宥恕措置

電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存制度について、令和4年1月~令和5年12月までの期間については、税務署長が保存できないことにつきやむを得ない事情があると認め、保存義務者が税務調査を受けた際に印刷した書面の提出が出来る状況にある場合には、保存要件を満たすこととなります。この趣旨としては、保存要件への対応が困難な事業者の実情に配慮し、税務署長への手続きを要せずに出力書面等による保存を可能とするためのものである旨が大綱に明記されています。

ここからは私見となりますが、上記の『税務署長が保存できないことにつきやむを得ない事情があると認め』という部分については全ての法人について(又は中小企業限定か)、一律でやむを得ない事情があると認めるものと考えます。つまり、法律が施行された後に国税庁よりその旨の案内がされるのではないかと推察します。そうでなければ、上記の大綱の趣旨にそぐわないと考えます。

 

  1. 消費税の適格請求書等保存方式に係る見直し

免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に適格請求書発行事業者の登録を受ける場合には、その登録日から発行事業者になれるような措置が取られます。また、この適用を受けて登録日から課税事業者となる適格請求書発行事業者については、2年間は課税事業者が強制される措置が取られるようです。

※ 本制度の概要については当社の別記事をご確認下さい。

適格請求書保存方式(インボイス制度)の概要

 

  1. 税理士制度の見直し

税理士事務所に該当するかどうかの判定について、設備又は使用人の有無等の物理的な事実により行わないことにするようです。リモートワーク等の柔軟な対応が出来るようにすることへの配慮であると思われます。

また、税理士試験の会計科目(簿記論と財務諸表論)の受験資格について、不要となります。つまり、高校生や大学低学年であっても会計学の試験は柔軟に受検が出来るようになると思われます。これは令和5年の試験から適用がされるようです。個人的には業界の発展のために非常に嬉しい改正です。


生命保険にまつわる税務

 

こんにちは。
公認会計士の岸です。

 

ご家族にもしものことがあった場合に備えて、生命保険に加入されている方が多いのではないでしょうか。

この点、保険契約期間中は保険料の支払いや保険事故発生に伴う保険金の受取りなどが行われますが、

それぞれのタイミングで課税関係の検討が必要になります。

検討が不十分ですと、保険に関する処理で思わぬ税金の支払いが生じてしまった、ということにもなりかねません。

 

そこで、本記事では、個人、法人の生命保険にまつわる税務の概略をまとめましたので、

保険契約内容の現状確認や新規契約などにあたっての参考にご覧いただけますと幸いです。

 

1.保険期間中の流れ

 

保険期間中に発生するイベントは主に以下のようなものがあります。

保険事故の発生か、保険契約の解約、により保険契約は終了します。

それぞれのタイミングで課税関係の検討が必要となります。

 

 

2.保険契約の登場人物

 

保険契約には、「被保険者」、「保険料の負担者」、「保険金受取人」の三者が登場します。

 

一般の人に馴染みがあるのは、親が自身が亡くなった時のために子供のために保険を契約しているなどの

個人間の契約かと思いますが、法人として役員や従業員のために保険を契約する場合もあります。

そのため、保険契約はその主体が個人であったり、法人であったり、と個々のケースによって様々であるため、

保険の税務は複雑になります。

 

この三者の組み合わせによって、保険契約に関する課税関係が大きく変わってきます。

 

 

3.保険料支払時の課税関係

 

本節以降で、保険契約中に発生するイベントごとに課税関係を紹介していきます。

まずは、契約期間中に保険料を支払った際の税務です。

 

(1)所得税(個人)

 

個人の方が生命保険料を支払っている場合には、確定申告で生命保険料控除(所得税法第76条)を適用することができます。

 

詳しい計算方法の説明は割愛しますが、必ずしも支払った保険料の全額が控除されるわけではなく、

一定の限度額までしか控除が認められていません。

 

年末近くになると保険会社から保険種類や支払保険料をまとめた資料がご自宅に送付され、

年末調整にあたって資料の提出を行われている方が多いのではないでしょうか。

 

(2)法人税

 

法人が加入する保険には様々なタイプのものがありますが、ここでは基本的な保険種類である「養老保険」と「定期保険」の

取り扱いに絞ってご紹介していきたいと思います。

 

養老保険」とは、被保険者の死亡または生存を保険事故とする生命保険です。

いわゆる積立型の保険であり、お亡くなりになった際に生命保険金がおりるとともに、

いつ解約しても積み立てた額のうち一定額が必ず将来返ってきますので、貯蓄性のある保険といえます。

 

定期保険」とは、一定期間内における被保険者の死亡を保険事故とする生命保険、と定義されています。

いわゆる掛け捨て型の保険であり、養老保険とは異なり満期保険金が存在せず、

被保険者が亡くならない限りは保険金が支払われないことから、貯蓄性がない保険といえます。

 

特徴としては「養老保険」は積立がある分、保険料が高くなる傾向があり、「定期保険」は保障のみですので、

保険料は低くなる傾向があります。

 

また、以下でご紹介する保険料の法人税の取り扱いに関しては、実は法人税法上には明確な定めはなく、

国税職員内部の取り扱い指針である基本通達というものに、その詳細が定められています。

基本通達は法令ではないので、厳密には納税者を拘束するものではないのですが、

この基本通達に従って申告を行うのが実務になっています。

 

理解にあたっては、その保険契約によって誰が受益者となるか?によって課税関係が変わってくると考えると、

整理しやすいかと思います。

 

a.養老保険の取り扱い

 

養老保険を契約している場合の課税関係は以下の通りです。

養老保険は貯蓄性のある保険であることから、法人が受け取る保険金に対応する部分(保険料の半額)については、

資産計上が求められています。

 

 

b.定期保険の取り扱い

 

定期保険については、掛け捨て型の保険であり、養老保険とは異なり貯蓄性がないことから、

その全額について損金算入が認められています。

 

なお、定期保険には満期保険金が存在しませんが、契約期間途中で契約を解約した場合に

解約返戻金が発生するタイプのものがあります。

そのような定期保険に関しては、将来の解約時に戻ってくる返戻金部分については貯蓄性があるだろうということで、

基本通達では以下のように解約返戻率(支払保険料に対する解約返戻金の割合)という指標に基づいて定期保険を分類し、

税務上のルールを規定しています。

支払った保険料に対する解約返戻金の割合が高いほど、貯蓄性が高いものと考え、資産計上額が増加するイメージです。

 

(法人税基本通達9-3-5の2より抜粋)

 

(3)消費税(個人、法人)

 

消費税法上は、保険料は課税対象として馴染まないもの、非課税となっています。

個人の方が保険料を支払われている場合には、その保険料には消費税は課税されていないことになります。

また、法人が保険料を支払っている場合には、その保険料に関しては仕入税額控除が適用できないことに

留意する必要があります。

 

(4)その他(相続税、贈与税)

 

契約者が子供であるのに、その親が保険料を支払っている場合には、

実質的には親が契約者であるとみなされる可能性があることに注意する必要があります。

 

後ほどご説明させていただきますが、契約者と保険金受取人の関係によっては、

所得税が課税されるのか、相続税が課税されるのか、といった判定結果が大きく変わってくるため、

親が契約者であるとみなされると、課税関係が大きく変わるリスクがあります。

 

このリスクを回避するためには、一旦親の口座から子供の口座へ保険料相当額を振込み、

子供の口座から保険料を支払う方法が考えられます。

この時、子供の口座を実質的には親が管理している口座、すなわち名義預金として取り扱われないよう、

子供自身が通帳や印鑑を管理したり、親子間で保険料相当額の資金について贈与契約を締結することも考慮する必要があります。

 

4.保険名義変更時の課税関係

 

保険契約期間中、保険料の負担者や保険金の受取人を変更するなどの目的で、保険契約の名義変更を行うケースがあります。

パターンとしては、名義変更の対象となる部分(契約者、受取人)、変更前後の主体(個人、法人)によって、

実務上は主に以下のケースが想定されるかと思います。

 

(1)契約者の変更(個人→個人)

 

父親が契約者となって保険料を支払っていた生命保険について、契約者を子供に変更する場合が想定されます。

 

この場合には、契約変更時には贈与税などの課税関係は生じず、その後の保険事故が実際に発生した際に、

保険料負担者と受取人の関係に応じて課税されます。

(国税庁質疑応答事例「生命保険契約について契約者変更があった場合」,

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/sozoku/14/05.htm)

 

なお、相続時の取り扱いを参考までにご説明しますと、相続により死亡保険金を子供が受け取る場合には、

その死亡保険金のうち、父親が支払っていた保険料の割合部分については相続税、

子供が支払っていた保険料の割合部分については所得税(一時所得)が課税されます。

 

(2)契約者の変更(法人→個人)

 

法人で契約していた保険を、役員などの個人に有償で契約譲渡する場合や、

退職金として現物支給する場合がケースとして考えられるかと思います。

 

以下では、社長の退職金として保険契約を現物支給する際の税務処理をご紹介します。

契約変更時の解約返戻金相当額に基づいて、課税処理が行われるイメージです。

 

(3)契約者の変更(個人→法人)

 

個人事業主の方が法人成りした場合で、従来の保険を法人向けの保険商品に切り替えるために、

一旦、名義変更で個人から法人へ契約を移し、その後保険の変更を行うケースが考えられるかと思います。

この方法のメリットは、保険の変更の際には、健康上に問題がある場合でも診査不要なケースがあることです。

 

以下では、法人が個人から、養老保険契約を解約返戻相当額で買い取る場合を想定します。

    

 

(4)保険金受取人の変更(法人受取→個人受取)

 

上記とは異なり、契約者は変えずに、保険金の受取人を法人から個人に変更するケースです。

 

以下では、【法人契約】、【死亡保険金(法人受取)】、【満期保険金(法人受取)】で契約していた養老保険を、

【死亡保険金(従業員、役員の遺族受取)】、【満期保険金(従業員、役員受取)】に変更する場合を想定します。

 

a.有償で保険契約を譲渡するケース

 

b.無償で保険契約を譲渡するケース

 

(5)保険金受取人の変更(個人受取→法人受取)

 

保険金の受取人を個人から法人に変更するケースです。

 

【法人契約】、【死亡保険金(従業員、役員の遺族受取)】、【満期保険金(従業員、役員受取)】で契約していた養老保険を、

【死亡保険金(法人受取)】、【満期保険金(従業員、役員受取)】に変更する場合を想定します。

 

この点、死亡保険金、満期保険金ともに、従業員、役員が従来の受取人であったことを想定しているので、過去に支払済の養老保険は全額給与として処理されているかと思います。

そのため、受取人の変更にあたっては特に課税関係は生じません。

 

5.保険解約時の課税関係

 

次に、保険契約を解約した場合の税務を見ていきます。

資金繰りの観点から保険料を支払えなくなった場合や、手元資金が早急に必要な場合などは、

保険契約の解約を検討されるケースがあるかと思います。

解約した場合に解約返戻金を受け取ることができる保険については、その返戻金に対して課税が生じます。

 

解約返戻金は契約者が受け取ることになります。

個人が受け取った場合と、法人が受け取った場合とに分けて、課税関係をご紹介いたします。

 

(1)個人が解約返戻金を受け取るケース

 

契約者と保険料負担者が同一の人である場合は、解約返戻金額から既に払い込んだ保険料を差し引いた金額が

一時所得として課税されます。

一方で、契約者と保険料負担者が異なる場合には、

保険料負担者から契約者(解約返戻金の受取人)に贈与があったものとして、贈与税が課税されます。

 

(2)法人が解約返戻金を受け取るケース

 

法人が解約返戻金を受け取った際の課税関係は下記の通りです。

 

6.保険事故発生時の課税関係

 

ここでは、保険の保障機能として、保険事故発生時に保険金が交付された場合の処理をご紹介いたします。

保険金の受取人が個人か、法人か、で分けて考えていきます。

 

(1)個人が保険金を受け取った場合

 

a.死亡保険金のケース

 

個人が死亡保険金を受け取った場合の課税関係については、以下の国税庁のHPが詳しいです。

(国税庁 タックスアンサー No.1750 死亡保険金を受け取った時,

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1750.htm)

 

国税庁のHPをもとに、各パターンの課税関係をまとめたものは下記の通りになります。

保険料の負担者と受取人の関係、及び一時金による受け取りか年金による受け取りか、で課税関係が変わってきます。

【パターン1】は、保険料を支払っていたその人自身が、保険金を受け取るケースです。

 

このケースでは、その保険料の受取人が所得税を課されることになりますが、

受取方法によって、一時所得か雑所得かに分かれます。

一時所得(一時金)の場合には、特別控除である50万円控除が適用できたり、最終的な所得税の計算では

一時所得の金額の1/2をもとに計算が行われるため、雑所得(年金)の場合と比べて、税務上のメリットが生じます。

 

【パターン2】は、被保険者と保険料の負担者が同一人のケースです。

 

この場合には、保険金受取人が、保険料を負担していた者から相続により保険金を取得したものとみなします。(相続税法第3条)

 

なお、一時金として受け取る場合には、相続税の1回のみで課税関係が終了しますが、

年金として受け取る場合には、相続年に相続税が課税された後、

翌年以降は毎年受取る年金受取額に対して所得税(雑所得)が課税されます。

この場合の雑所得の計算方法は、年々階段状に所得金額が増加していく特殊な計算方法を採用しており、

以下の国税庁のタックスアンサーにて詳細な計算方法が定められています。

(国税庁 タックスアンサー No.1620 相続等により取得した年金受給権に係る生命保険契約等に基づく年金の課税関係,

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1620.htm

 

【パターン3】は、被保険者、保険料の負担者、保険金の受取人、がすべて異なるケースです。

 

この場合には、保険料を負担していた者から、保険金受取人が保険金を贈与されたものとみなします。(相続税法第5条)

 

なお、こちらもパターン2のケースと同様、一時金として受け取る場合には贈与税の1回のみで課税関係が終了します。

一方で年金として受け取る場合には、贈与税に加えて、贈与年の翌年以後からの年金受取額に対して、

所得税(雑所得)が年々階段状に増加していくかたちで課税されます。

 

b.満期保険金のケース

 

個人が満期保険金を受け取った場合の課税関係については、以下の国税庁のHPが詳しいです。

(国税庁 タックスアンサー No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき,

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1755.htm)

 

国税庁のHPをもとに、各パターンの課税関係をまとめたものは以下の通りになります。

死亡保険の場合と同様に、保険料負担者と保険金受取人の関係、

及び一時金による受け取りか、年金による受け取りか、でパターン分けされます。

2年目以降の雑所得の計算方法は、死亡保険金の場合と同様ですので、詳細は割愛します。

 

(2)法人が保険金を受け取ったケース

 

法人が保険金を受け取った際の課税関係は以下の通りです。

 

7.その他

(1) 遺留分対策としての生命保険

 

民法では、遺留分の侵害額請求というものが認められています。

 

これは、遺言などによる遺産分割の結果、法定相続人の中に分割財産の取り分が少ない方がいる場合に、

相続財産のうち自己の法定相続分の1/2(相続人が直系尊属のみの場合は1/3)に相当する部分までの金額に関して、

金銭の支払いを請求することができるものです。

 

例えば、被相続人に子供が2人おり、そのうち1人とは仲が悪く疎遠であり、遺言で疎遠の子供へ財産を一切分割しないことを

定めた場合でも、その疎遠の子供は他の兄弟などの相続人に対して、金銭の支払いを請求することができます。

 

この点、生命保険金は相続財産ではなく、民法上は受取人固有の財産になると考えられているため、

原則は遺留分侵害額の計算の母数には含まれないというメリットがあります。

そのため、他の相続人に干渉されない財産として、生命保険を活用することができます。

 

(2)逆ハーフタックスプラン(逆養老保険)

 

上記3.節では、法人が契約者となる養老保険に関する取り扱いをご説明しました。

そのうち、【死亡保険金(従業員、役員受取)】、【満期保険金(法人受取)】、として基本通達で規定されている契約形態を、

以下のように保険金の受取人を逆にしたものを、逆ハーフタックスプランといいます。

逆ハーフタックスプランの契約形態については、基本通達上明確な定めはなく、実務上は、保険料の1/2を支払保険料として損金算入、残りの1/2を給与(又は福利厚生費)として損金算入する処理が行われています。

 

この結果、養老保険で資産計上している保険料部分についても損金算入が可能になるというメリットがあります。

 

ただし、この処理は基本通達で特段規定されていない処理であるために税務否認リスクがあること、

さらに保険料の1/2が福利厚生費ではなく給与扱いとなる場合には源泉徴収事務が発生するという点に注意が必要です。

 

実際は福利厚生プランというよりかはオーナー個人の保障という観点で保険契約をされている場合も多いかと思われます。

そのような場合には、福利厚生費ではなく給与として扱われ、保険料相当金額に関して源泉徴収されるケースが多くなるかと思います。

源泉徴収事務を回避するためには、毎月の保険料は役員貸付金として処理し、満期保険金を減資として

その貸付金をオーナーから返済してもらえば、源泉徴収事務は発生しません。

ただし、役員貸付金として処理する場合には、会社がオーナーから貸付に係る受取利息を徴収しなければならないことに

注意してください。

 

8.さいごに

 

今回は生命保険にまつわる税務をご紹介いたしました。

基本通達には上記以外の規定もあり、さらに実際に販売されている保険プランも多種多様なものがあります。

  まずは、本稿で基本的な生命保険の課税関係を整理していただき、保険契約の見直しなどにお役立ていただけますと幸いです。