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【社内勉強会⑤】現物給与について学ぼう

こんにちは。スタッフの大滝です。

昨年の勉強会は、消費税をテーマにしてきましたが、今年は現物給与について【現物給与の課税対象と非課税の取り扱い】という

テーマで勉強会を行っています。早速ですが、内容を整理していきます。

 

1 福利厚生と現物給与

 

2019年4月に施行された働き方改革関連法案や、ワークライフバランスという言葉を耳にするようになりました。

 

労働者を雇用する企業としては、労働者の健康や生活の向上を目的とした、福利厚生制度を充実させることを重視している企業が増加してきているように思います。

 

金銭支給以外で、従業員に対して食事の支給や商品の値引き販売、レクリエーション行事の開催等のように、

物または権利等の経済的利益をもって支給されることを現物給与と言います。

 

本来、給与は金銭で支給されますが、現物給与は役員や使用人に対して福利厚生の側面があり、

また選択性や換金性に難点があるため、一定のものは非課税とする税務上の取り扱いが設けられています。

 

そこで、現物給与の課税対象と非課税の取り扱いについて、具体的な事例をもとに整理していきます。

 

2 具体例 ~通勤交通費~

 

会社に通勤するための通勤手当は、通常「手当」として金銭で支給されていることが多いと思います。

 

交通機関や有料道路を利用している人に支給する通勤手当は、平成28年度の税制改正により、

最高で月額15万円までは非課税とされています。(改正前の最高限度額は10万円)

 

また、実務上では、新幹線通勤やグリーン車を利用した場合はどのような取り扱いとなるのかという疑問もあるように思います。

 

新幹線通勤は、最も合理的な方法であれば通勤手当として支給できますが、一方でグリーン車等の特別車両の利用は、

合理的な方法という定義の中に含まれないと考えられるため、給与課税される可能性があります。

 

さらに、交通機関を使用せず、自動車や自転車通勤の人に支給する通勤手当の非課税枠は、

通勤距離ごとに限度額が決められています。詳しくは、国税庁HPをご参考ください。

 

国税庁「No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当」

 

【課税される範囲】

1か月15万円以上の通勤手当の支給か、マイカー等の通勤については通勤距離ごとの限度額を超えて支給した場合

 

3 具体例 ~社宅家賃~

 

会社(使用者)が、役員や従業員(使用人)に対して社宅を提供している場合があります。

借上げ社宅等という制度として会社で設けていることも多いと思います。

 

役員と従業員で計算方法が異なりますが、1か月当たり賃料相当額を本人から受け取っていれば給与として課税されません。

下記【賃料相当額の計算について】に記載の計算方法を用いて、賃料相当額を計算します。

 

もし、本人から賃料相当額を受け取っていない場合には、賃料相当額と実際の徴収額の差額が給与課税されます。

 

例えば、賃料相当額が10万円で、実際に徴収している金額が4万円の場合、差額の6万円に対して給与課税されます。

 

なお、多くは従業員への福利厚生の要素が大きいと考えますが、例えば病院の夜間勤務など、業務遂行上の必要により、

役員または従業員の居住場所を著しく制限しなければならない理由で、社宅や寮に入居させている場合等

給与課税されないケースもあります。

 

【賃料相当額の計算について】

 

Ⅰ 役員

役員に対する社宅の貸与は、社宅の床面積により「小規模な住宅(木造132平米以下、非木造99平米以下:共用部分を含む)」と「それ以外の住宅」に分かれ、下記のように計算します。

また、いずれにも該当しないような豪華な社宅(床面積240平米超え)である場合には、算式の適用はなく、通常支払うべき使用料に相当する額(時価)が賃料相当額になります。

 

①小規模な住宅である場合

 《算式A》 (1)~(3)の合計額

(1)(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%

(2)12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/(3.3平方メートル))

(3)(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

 

②上記①以外の住宅(小規模な住宅以外)で自己所有の場合

 《算式B》 (1)~(2)の合計額の1/12

(1)(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12%

※ただし、法定耐用年数が30年を超える建物の場合には12%ではなく、10%となります。

(2)(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%

 

③上記①以外の住宅(小規模な住宅以外)で借り上げ社宅の場合

 《算式B》または、賃料の50% のいずれか高い方

 

国税庁「No.2600 役員に社宅などを貸したとき」

 

Ⅱ 従業員

 《算式A》 (1)~(3)の合計額

従業員の場合には、算式Aで計算した賃料相当額の1/2の金額を本人から徴収していれば、課税されないことになります。

もし、本人から賃料相当額を受け取っていない場合には、算式A⑴~⑶の合計額と、本人から徴収している金額の差額が給与課税されます。

 

また、算式Aに用いられている固定資産の課税標準額は3年に1度変更があります。

特に役員の場合には、このタイミングで都度、賃料相当額を見直すことも重要ですが、

従業員の場合には、課税標準額が20%以内の増減の時は改定計算を要しません。

 

国税庁「No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき」

 

【課税される範囲】

役員や使用人に無償で社宅を貸与したり、賃料相当額よりも低い金額を徴収している場合

 

<一口メモ> 社会保険における現物給与 ~住宅で支払われる報酬等~

 

役員や従業員に社宅を貸与した場合には、上記のような税務上の取り扱いだけでなく、社会保険においても現物給与の対象となります。

物価の変動などに合わせて、毎年4月に改定される「厚生労働大臣が定める現物給与の価額」(厚生労働省告示)に定められた額に基づいて、

社会保険の被保険者が受けた現物給与を通貨に換算して、社会保険料を算定します。

 

令和4年4月改定 「厚生労働大臣が定める現物給与の価額」

 

例:東京都(令和4年4月価格 2,830円)

居住スペース 5畳/本人が負担する賃料相当額 10,000円の場合

2,830円×5畳=14,150円

14,150円-10,000円=4,150円(現物給与)

 

社宅家賃を会社が全額負担している場合には、14,150円が現物給与となり、社会保険の標準月額を算定する際には、毎月の報酬月額に上乗せします。

一方で、従業員から賃料相当額を徴収している場合には、徴収している金額を引いた4,150円が現物給与となります。

 

4 具体例 ~食事支給~

 

社内食堂での食事提供や、食券の支給などを採用している会社も多く、現物給与の中では一番身近なものだと思います。

 

①昼食

食事の支給(昼食)については、下記の要件を満たしていれば課税されないこととなります。

(1)役員または使用人が、食事の価額の50%相当額以上を負担している場合

(2)役員や使用人に支給した食事について、使用者(会社)が負担した金額が月額3,500円以下の場合

※消費税および地方消費税の額は除く

 

②夜食

夜勤や深夜残業など会社から命令された勤務時間帯での、食事支給については無料で提供しても課税しなくて良いとされています。

深夜勤務者への食事支給(夜食)は、深夜時間帯の食事の提供が困難であるという考え方により、1食あたり300円以下であれば課税されません。

 

国税庁「No.2594 食事を支給したとき」

 

【課税される範囲】

昼食代を会社が負担して下記①②のいずれかに該当する場合は、

食事の価額から役員や使用人の負担している金額を控除した残額に課税

①役員や使用人が負担している金額<食事の価額×50%

②役員や使用人が負担している金額<会社が負担している金額(月額3,500円以上)

 

 

<一口メモ> 社会保険における現物給与 ~食事で支払われる報酬等~

 

先程、社宅家賃の項目でも整理しましたが、食事についても社会保険の現物給与の対象となります。

現物給与額の計算方法は、社宅と同様ですが、食事の場合には「1か月あたり/1日あたり/1日あたり(朝食・昼食・夕食)」と

単価が細分化されているので、社会保険料の算定時に気を付けるポイントかと思います。

 

住宅の現物給与との違いとして、食事の場合には、現物給与価額の3分の2以上を食事代として徴収している場合には、食事の供与はないもとして取扱います。

 

5 具体例 ~金銭の貸付~

 

役員や従業員に対して、会社が無利息または、低い利息で金銭を貸し付ける場合、経済的利益を受けることになるため原則として給与課税となります。

 

しかし、災害等の理由で臨時的に多額の生活資金を必要とする場合や、会社における借入金の平均調達金利と同等の貸付金利を定め、利息を徴収している場合は、担税力の考慮や少額不追及の趣旨により、課税しないこととされています。

 

国税庁のHPによると、貸付を行った日の属する年に応じた利率が定められており、令和3年中に貸付けを行ったものは、金利1.0%とされています。

無利息や低い金利で金銭を貸し付けた場合には、実際に支払う利息の額と貸付を行った日の属する年に応じた利率で計算した利息の額の差額が、給与課税されます。

 

国税庁「No.2606 金銭を貸し付けたとき」

 

【課税される範囲】

役員や従業員に対して、無利息や低い金利での貸付を行った場合

 

6 具体例 ~レクリエーション費用~

 

社内交流やチーム力の向上等を目的として、会社は社員旅行や会食、運動会などのレクリエーションを行うことがあります。

 

原則として、これらの行事に参加して受けた経済的利益は給与として課税されることになります。

しかし、社会通念上一般的な行事と認められれば、会社がその費用を負担した場合でも給与課税されないこととして取り扱われます。

 

非課税とされる行事の範囲として、下記のように整理できます。

 

①社員旅行

国内、海外を問わず4泊5日以内の期間で、社員の50%以上が参加している場合

 

②その他(会食、運動会など)

参加対象者を限定していない場合

 

上記ともに、不参加者に対して金銭を支給した場合には、参加者も含め全員が給与課税されることになります。

これは、旅行に参加するか・金銭をもらうかを選択できる状況になるためです。

 

国税庁「No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行」

 

【課税される範囲】

特定の人(役員のみ・成績優秀者のみ等)を対象とした行事

 

7 具体例 ~技術取得~

 

従業員のスキルアップや業務に必要な技術習得のために、研修制度を設けている会社も多いと思います。

 

知識や技術の習得にかかる研修受講費用や教材費などは、会社の仕事に直接必要であること、その費用が適正な金額であれば、

給与として課税しなくてもよいことになっています。

 

例えば、経理課に所属となり簿記の資格取得のための費用を会社で負担してもらうといった場合には、研修費という判断が出来ると思います。

一方で、資格の合格者のみに資格取得にかかった費用を支給するとなると、お祝い金のような意味合いが強くなると考えられますので、給与課税されることがあります。

 

国税庁「No.2588 職務に必要な技術などを習得する費用を支出したとき」

 

【課税される範囲】

業務に直接必要とされない知識や技術取得にかかる費用

特定の人(合格者のみ等)を対象とした費用支給

 

8 具体例 ~生命保険~

 

会社が、役員または従業員を被保険者とする生命保険の保険料を支払ったことによる経済的利益は、生命保険の種別によって取り扱いが下記のように整理できます。

 

①養老保険

 

②定期保険

【課税される範囲】

特定の人(役員のみ等)が加入対象の場合

 

9 具体例 ~商品値引~

 

従業員に対して、会社で取り扱っている商品や製品を提供する場合には、値引き販売をする制度を設けている企業が多いです。

一般的に行われている値引販売については、経済的利益の額が少額であることや一般の消費者に対しても値引販売が行われる場合があること等を考慮して設けられています。

 

この場合、下記を全て満たす場合に非課税とされます。ただし、土地、建物、有価証券についてはこの制度の対象外です。

 

①販売価額が取得価額以上であること

例:会社の仕入価額1,000円、従業員への値引き価額1,200円

 

②値引販売する価額が、会社が販売する価額に比べて著しく低くないこと(通常、他に販売する価額のおおむね70%未満でない)

例:会社が販売する価額2,000円、従業員への値引き価額1,500円

 

③値引率が全員一律か、地位や勤続年数に応じて合理的なバランスが取れていること例:勤続5年以上の従業員は15%オフで販売等

 

④一般消費者が通常消費できる数量

 

【課税される範囲】

会社の仕入価額より低い価額やアンバランスな価額での販売

 

10 具体例 ~永年勤続・創立記念品等~

 

従業員の永年勤続を表彰したり、会社の創業を記念して、従業員に創立記念品を配布するような行事は一般的に行われています。

 

創業記念品の支給のついては、役員や従業員だけでなく株主や取引先などの社外の関係者にも供与されることが想定されるため、

下記の要件を満たす場合には、給与課税しないこととして取り扱います。

 

①支給する記念品が社会通念上ふさわしいもの

②処分見込み額が10,000円以下のもの ※消費税等の金額を除いて判定します。

 

一方で、金銭や有価証券等の支給や、記念品を従業員が自由に選択できる場合には給与課税されます。

 

【課税される範囲】

金銭・有価証券、記念品を従業員が自由に選択できるもの、処分見込額が10,000円超のもの、などを支給した場合

 

11 所長の一言

 

こんにちは。税理士の山田です。

現物給与については、課税・非課税の判断が難しく、非常にグレーな取扱いが多くあります。

従業員のためと思って行っていた福利厚生が急に給与として課税されるケースもあります。

 

とあるIT企業が無料で社員食堂を提供いていたところ給与課税がされたケースや、仕事の都合で社員旅行に参加出来ない方に金銭を支給したところ、

全従業員に給与課税がされたケースなどあります。社員のための福利厚生が結果として、社員の税金を増やして負担をさせてしまうことがあるので注意しましょう。

 

福利厚生の設計時には給与課税がされないように、税法上の取扱いを整理する必要があります。

また、社会通念上一般的と言える範囲が非課税、という非常にあいまいな基準な部分も多く、税務調査の際に議論となることも少なくありません。

全く準備がされていないとゼロベースでの議論になってしまい調査で不利な判断がされてしまうことがありますが、

非課税であると判断するための根拠を整えておくことで、調査官の心象も大きく変わってくると考えます。


2022年_新年のご挨拶

アンパサンドでは2022年のテーマを  と掲げました。

 

2020年に端を発したコロナ禍の状況は世界を大きく変えました。

政府の公的支援などもあり、資金繰り支援策が取られ、当面の資金については手当が出来たものの

2022年からは返済がスタートする企業も多く、今以上に利益の確保が求められる時代となります。

 

リソースが限られる中小零細企業が勝ち残っていくためには 選択と集中 がキーワードであると考えます。

『選択と集中』は経営学者であるピーター・ドラッカーが提唱したと言われています。

 

継続するコロナ禍、到来する人口減少問題、外部環境が厳しい今の時代に置いて

生き残っていくために自社のリソースを見つめ直し必要な分野に集中する必要があると思います。

昨年2021年は  をテーマに掲げましたが、鍛え上げた内部のリソースを一点集中することで

これからの時代においても、その分野で突き抜けることが可能であると考えます。

 

アンパサンドにおいても、今後は新規でお受けするお客様については更に限定をしていき、

自社のリソースを再定義し、より価値のある分野にリソースを集中していく所存です。

クライアント様の益々の発展に寄与出来るようにサービスを見直して参ります。

 

また、これからの時代で大きなニーズが起きるであろう分野を 事業承継  M&A と考えます。

事業承継の支援やM&Aの支援については攻めの姿勢で新しいサービスを構築していきます。

 

なお、令和4年の経済施策については令和3年度補正予算という形で令和3年12月20日に国会で可決しました。

現時点で公表されている情報としてはまだ概要程度のものとなりますが、下記のサイトを参照ください。

 

https://mirasapo-plus.go.jp/infomation/17266/?utm_source=20211228&utm_medium=mm&utm_campaign=daily

 

本年も変わらずご愛顧いただけましたら幸甚に存じます。

 

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アンパサンド税理士法人

代表社員 税理士 山田典正

代表社員 税理士 大塚俊希

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超速報!令和4年度(2022年度)税制改正大綱を徹底解説!

こんにちは。

税理士の山田です。

 

今回は令和3年12月10日に公表された『令和4年度(2022年度)税制改正大綱』の中から特に気になった項目を抜粋して解説をします。公表されたばかりの情報ですので、スピードと解り易さを重視して解説しております。正確性を担保するものではございませんので、予めご了承ください。内容に誤り等がございましたら随時訂正して参ります。

また、税制改正大綱は税制改正の素案となるものであり、おおむねこの通りの改正がされることがほとんどですが、100%確実ではございません。読みやすさを重視するために文中ではまだ予定であることを態々記載していませんが、確定事項ではない点はご理解ください。

 

なお、一部で話題になっていた『相続税と贈与税の一体化』については、今回の改正では織り込まれていません。引き続き検討を進めるようですが、早くても再来年以降の税制改正項目ということになりますので、改正のタイミングとしても早くても令和5年4月以降になります。

 

※令和4年度(2022年度)税制改正大綱についてはこちらをご覧ください。

https://www.jimin.jp/news/policy/202382.html

 

Ⅰ個人所得税課税(地方税含む)・源泉所得税

  1. 住宅ローン控除の改正

従前では令和3年において住宅ローンを組んで自宅を購入した場合に、借入限度額を5000万円(住宅の取得等が特定取得以外の場合は3000万円)として、住宅借入金の年末残高に対して1%の税額控除を10年間適用出来る取扱いとなっていましたが、令和4年以降も延長はするもの主に増税傾向となります。具体的には下記の表の取扱いとなります。

種類

居住年

借入限度額

控除率

控除期間

認定住宅等以外の居住用家屋の新築等

令和4年~5年

3000万円

0.7%

13年

令和6年~7年

2000万円

10年

認定住宅等以外の中古家屋の取得等

令和4年~7年

認定住宅(認定長期優良住宅と認定低炭素住宅)の新築等

令和4年~5年

5000万円

13年

令和6年~7年

4500万円

ZEH水準省エネ住宅の新築等

令和4年~5年

4500万円

令和6年~7年

3500万円

省エネ水準適合住宅の新築等

令和4年~5年

4000万円

令和6年~7年

3000万円

認定住宅等の中古家屋の取得等

令和4年~7年

3000万円

10年

※ 本税制の適用対象者はその年の合計所得金額が3000万円以下であることが要件となっていましたが、令和4年以降は2000万円以下が要件に引き下げられます。

※ 中古住宅の取得については、従来設けられていた築件数要件が撤廃される一方で、新耐震基準に適合する住宅であることが要件となります。

 

控除率が下がるのは住宅ローンの金利が大幅に下がりいわゆる逆ザヤ状態になってしまっていたためにそれを解消する措置となります。つまり、住宅ローンの変動金利が0.5%を下回ることも珍しくなくなってしまうほどの低金利であり、支払う住宅ローンの金利よりも本税制の控除額の方が多くなってしまうという現象が生じてしまっていたためとなります。

従前の新型コロナ税特法においては一定の条件で借入限度額を5000万円、控除率1%、控除期間は13年間とする取扱いが令和4年まで可能ですが、その点は特に変更がないと思われます。(大綱に詳細はなし)

 

  1. 子会社等からの配当に係る源泉所得税を廃止

以下の会社からの配当については、所得税の源泉徴収を行わないこととします。適用時期としては、令和5年10月1日以降に支払いをすべき配当について適用されます。

・ 完全子法人株式等(100%保有の子会社)

・ 基準日に置いて直接保有する株式等の保有割合が3分の1超である子会社

 

  1. 配当が総合課税とされる大口株主の範囲を拡充

上場株式等の配当等については源泉分離課税が適用されるところですが、大口株主が受け取る配当についてはこの制度が適用されずに、非上場株式からの配当と同様の取扱いとして、20.42%の源泉徴収がされたうえで総合課税により確定申告が必要とされています。

従来はこの大口株主の範囲として、直接にその会社の発行済株式の3%以上が保有する方が対象となっていましたが、その方が支配関係を持つ同族会社がその会社の株式を持っている場合に、3%の判定に含めることになる予定です。この改正は、令和5年10月1日以後に支払うべき配当等について適用がされます。

なお、私見ですが3%の判定おいては分母である発行済株式総数に自己株式を含めて判定することになっており、この点についても本来は改正がされるべき点であると思われますが、今回の大綱には含まれていません。将来的に改正となる可能性は高い部分ではないかと考えます。

 

  1. 納税地の変更に関する届出書

納税地が変更した場合には、税務署長に届出書を提出するルールとなっておりましたが、令和5年以降については届出書の提出が不要となります。(個人消費税についても同様)

 

  1. 上場株式等の配当所得割に係る課税方式の改正

個人住民税において、特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得の課税方式を所得税と一致させることとなりました。恐らくですが、これは所得税と住民税について別々の課税方法を選択することで、上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除額が所得税と住民税で不一致になってしまうことを防ぐ措置であると思われます。

 

Ⅱ資産課税

  1. 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税措置

適用期限(現行は令和3年12月31日)を令和5年12月31日までに延長し、限度額については下記の通りとなります。

・ 通常の住宅 500万円

・ 耐震、省エネ又はバリアフリーの住宅用家屋 1000万円

 

  1. 非上場株式等に係る納税猶予の特例制度

特例承継計画の提出期限が現行は2023年3月末までとなっていますが、1年延長してい2024年3月末までとなります。

 

  1. 添付書面等記載事項の提供方法の見直し

相続税の申告書の添付書類の提供方法に、光ディスク及び磁気ディスクが追加されました。相続税の申告書の添付書類は膨大な量となりますが、電子申告の添付データについては容量が限られているために取られた措置であると推察します。

 

  1. 財産債務調書制度等の見直し

まずは提出義務者が拡大され、現行の提出義務者にプラスでその年の12月31日において有する財産の価額の合計額が10億円以上である居住者が追加されました。

一方で提出期限については、現行は翌年の3月15日までとされていたものが翌年の6月30日に延長がされました。こちらの改正は国外財産調書についても同様の改正となります。

 

Ⅲ法人課税(地方税含む)

  1. 人材確保等促進税制の改正(いわゆる大企業向け)

従来の人材確保等促進税制を改正し、下記の変更が行われます。対象となる給与額の計算については、令和3年3月31日以前の開始事業年度に対する取扱いに戻る形になると思われます。(この1年間は一体なんだったのか・・・)

改正項目

現行

改正

適用期間

令和3年4月1日から令和5年3月31日までに開始する事業年度 令和4年4月1日から令和6年3月31日までに開始する事業年度

適用要件

新規雇用者給与等支給額(※)が、前年度より2%以上増えていること

※    国内新規雇用者のうち雇用保険の一般被保険者に対してその雇用した日から1年以内に支給する給与等の支給額

継続雇用者給与等支給額(※)が、前年度より3%以上増えていること

※    当期及び前期の全期間の各月分の給与等の支給がある雇用者で一定のもの(おそらく雇用保険の一般被保険者)に対して支給する給与等の支給額

控除額計算

控除対象新規雇用者給与等支給額(※)の15%

※    国内新規雇用者に対してその雇用した日から1年以内に支給する給与等の支給額

控除対象雇用者給与等支給増加額(※)の15%

※    明記されていないが、おそらく役員と役員親族以外の全従業員に対する給与等の支給額についての前年からの増加額

上乗せ措置

①教育訓練費の額が、前年度より20%以上増えている場合には、税額控除率を5%加算

 

①継続雇用者給与等支給額の増加割合が4%以上である場合には、税額控除率を10%加算

②教育訓練費の額が、前年度より20%以上増えている場合には、税額控除率を5%加算(変わらず)

教育訓練費の明細書

確定申告書の添付 会社保管

※ 資本金の額が10億円以上であり、かつ、常時使用する従業員の数が1000人以上である場合には、一定の事項を経済産業大臣に届出が必要

※ 人材確保等促進税制について

https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/syotokukakudaisokushin/syotokukakudai.html

 

  1. 所得拡大促進税制の改正(中小企業者限定)

従来の所得拡大促進税制を改正し、下記の変更が行われます。

改正項目 現行 改正
適用期間 令和3年4月1日から令和5年3月31日までに開始する事業年度 令和4年4月1日から令和6年3月31日までに開始する事業年度
上乗せ措置 雇用者給与等支給額の増加割合が2.5%以上であり、次のいずれかに該当する場合は税額控除率を10%加算

①教育訓練費の額が、前年度より10%以上増えている場合

②経営力向上計画の認定を受けて、かつ証明がされた場合

①雇用者給与等支給額の増加割合が2.5%以上である場合には、税額控除率を15%加算

②教育訓練費の額が、前年度より10%以上増えている場合には、税額控除率を10%加算

※ 所得拡大促進税制について

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/syotokukakudai.html

 

  1. 大企業向けの税額控除制限措置の改正

大企業向けの研究開発税制等の特定税額控除規定の適用を受けることができないこととする措置について要件が改正されます。資本金の額が10億円以上であり、かつ、常時使用する従業員の数が1000人以上である場合で、かつ、前年度の課税所得金額がプラスであるときについては、継続雇用者給与等支給額の前年からの増加割合が1%以上(令和4年4月1日から令和5年3月31日までに開始する事業年度は0.5%以上)でなければ、特定税額控除規定の適用を受けることが出来ません。

 

  1. みなし配当の計算について

資本の払い戻しに係るみなし配当の額の計算について、払戻等対応資本金額等はその払い戻しにより減少した資本剰余金の額を限度とすることになりました。(従前は取扱い無)

また、種類株式を発行する法人の資本の払い戻しに係るみなし配当の額の計算について、種類資本金額を基礎と計算することになりました。(従前は取扱い無)

 

  1. 少額資産の損金算入制度について貸付用資産を除外

下記の規定について貸付の用に供する資産を対象から除外します。ただし、主要な事業として行われるものを除きます。

・ 少額の減価償却資産の取得価額の損金算入制度(10万円未満の少額資産)

・ 一括償却資産の損金算入制度(20万円未満の一括償却資産)

・ 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入特例(30万円未満の少額資産)

 

  1. グループ通算制度の投資簿価修正の改正

グループ通算制度ではグループ離脱時の、通算子法人株式の譲渡原価の計算を税務上の簿価純資産を元に計算するような仕組みとなっていましたが、これでは子法人買収時の買収プレミア相当額を税務上の損金として算入出来なくなってしまうことが問題視されていましたが、改正が行われました。

改正としては、グループ離脱時における各法人の確定申告において一定の計算明細を添付することで、子法人株式の帳簿価額に資産調整勘定等対応金額を加算するような調整計算が行われます。資産調整勘定等対応金額とはグループ通算開始時に時価取得をしたその子法人株式の取得価額のうち、仮にその時点で合併をしたものとした場合における資産調整勘定又は負債調整勘定相当額とされています。

個人的な意見として、負債調整勘定相当額が調整計算に含まれているのは、買収時の負ののれん相当額が離脱時に損金に算入されることを防ぐ措置であると思われますが、そもそもの取扱いが明細書の添付を要件としている規定となっており、不利な取扱いの場合には明細書の添付をあえてしないことで課税を免れることが出来るのか否か、という点が気になる点となります。

また、グループ離脱時の時価評価資産の取扱いで、帳簿価額が1000万円未満である資産については時価評価資産から除外されていますが、営業権については帳簿価額が1000万円未満であっても除外されないことになりました。

 

  1. ソフトバンクグループ対策税制の改正

ソフトバンクグループ対策税制とは、50%超の支配関係がある子会社からの配当を適用対象として、その株式等の簿価の10%を超える配当が行われた場合に、株式の簿価の切り下げを行う措置となります。ただ、適用除外要件として下記のような配当については対象から除外されます。複雑な制度となりますが、詳細は割愛しております。

① 設立以来90%以上国内資本のみの内国法人からの配当

② 買収後に発生した利益剰余金からの配当

③ 10年超支配継続している会社からの配当

④ 2000万円以下の配当

また、適用回避防止規定として、子法人が一定の孫法人(適用除外要件の①か③を満たす法人以外である法人)から1事業年度中に受ける配当等の額が、孫法人株式等の帳簿価額の10%を超え、かつ、2000万円を超える場合には、適用除外要件を満たさない措置が従来から取られています。

このソフトバンクグループ対策税制として、下記の2点の改正が行われます。こちらは令和2年4月1日以後の開始する事業年度から遡って適用するようです。

① 一点目として、上記適用除外要件の②について、従来は特定支配日の直前事業年度から配当決議等の直前事業年度までの利益剰余金額の増加額が配当金額を超えている場合には適用除外とされる措置が取られていました。ただし、このルールでは『配当決議等の直前事業年度から配当決議等までの間に増減した利益剰余金額』を原資として配当した場合には、適用除外要件を満たすことが出来ないことから、一定の書類保存を要件として上記の金額を計算に反映させることが可能となります。ただし、その場合には『特定支配日の直前事業年度から特定支配日までの間に増減した利益剰余金額』についても調整が必要となります。

② 二点目として、適用回避防止規定については孫法人が以下の要件を満たす場合には適用しないこととします。つまり、子法人は適用除外要件を満たせば本税制の適用を回避出来ます。

・ 配当等の基準時以前10年以内に子法人との間に特定支配関係があった孫法人の全てが、孫法人の設立時からその基準時まで継続してその子法人の特定支配関係にあった場合

・ 親法人と孫法人の間に、その孫法人の設立時から孫法人から子法人への配当等の基準時まで継続して親法人による特定支配関係がある場合で、かつ、その基準時以前10年以内に孫法人との間に特定支配関係があったひ孫法人の全てが、ひ孫法人の設立時からその基準時まで継続してその孫法人の特定支配関係にあった場合

 

  1. 大法人に対する事業税所得割の税率の見直し

外形標準課税適用法人については、令和4年4月1日以後の開始事業年度から軽減税率適用法人に該当しないことになり、所得割の標準税率は一律で1%となりました。

 

Ⅵその他

  1. 隠蔽仮装行為があって確定申告書が提出された場合等の措置

隠蔽仮装行為があって確定申告書が提出された場合や確定申告書の提出が無い場合には、帳簿書類や明らかな証拠書類等が無い限りは、その明らかなエビデンスが準備出来ない経費については損金の額に算入しないような措置が取られるようです。これは証拠書類が無い場合に調査で水掛け論になることを防ぐために取られた措置であると思われます。

 

  1. 修正申告書や更正の請求書の記載事項の整備

修正申告書や更正の請求書の記載事項より、申告前又は更正前の「課税標準等」「納付すべき税額の計算上控除する金額」「還付金の額の計算の基礎となる税額」を除外することになりました。これにより様式が簡略化されると思われます。

 

  1. 電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存の宥恕措置

電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存制度について、令和4年1月~令和5年12月までの期間については、税務署長が保存できないことにつきやむを得ない事情があると認め、保存義務者が税務調査を受けた際に印刷した書面の提出が出来る状況にある場合には、保存要件を満たすこととなります。この趣旨としては、保存要件への対応が困難な事業者の実情に配慮し、税務署長への手続きを要せずに出力書面等による保存を可能とするためのものである旨が大綱に明記されています。

ここからは私見となりますが、上記の『税務署長が保存できないことにつきやむを得ない事情があると認め』という部分については全ての法人について(又は中小企業限定か)、一律でやむを得ない事情があると認めるものと考えます。つまり、法律が施行された後に国税庁よりその旨の案内がされるのではないかと推察します。そうでなければ、上記の大綱の趣旨にそぐわないと考えます。

 

  1. 消費税の適格請求書等保存方式に係る見直し

免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に適格請求書発行事業者の登録を受ける場合には、その登録日から発行事業者になれるような措置が取られます。また、この適用を受けて登録日から課税事業者となる適格請求書発行事業者については、2年間は課税事業者が強制される措置が取られるようです。

※ 本制度の概要については当社の別記事をご確認下さい。

適格請求書保存方式(インボイス制度)の概要

 

  1. 税理士制度の見直し

税理士事務所に該当するかどうかの判定について、設備又は使用人の有無等の物理的な事実により行わないことにするようです。リモートワーク等の柔軟な対応が出来るようにすることへの配慮であると思われます。

また、税理士試験の会計科目(簿記論と財務諸表論)の受験資格について、不要となります。つまり、高校生や大学低学年であっても会計学の試験は柔軟に受検が出来るようになると思われます。これは令和5年の試験から適用がされるようです。個人的には業界の発展のために非常に嬉しい改正です。


新年の挨拶(2021年)

新年明けましておめでとうございます。

旧年はコロナ禍の状況ながらも良いメンバーに恵まれ、お陰様で組織としても良い形で成長をすることが出来ました。

2021年のテーマとして、アンパサンドでは

を掲げました。

 

2020年はコロナ禍の状況ながらも政府の公的支援などもあり、資金繰り支援策が取られ、当面の資金については手当が出来た状況かと思います。2021年も資金繰り支援の補正予算が組まれておりますので、継続して融資を受けられる可能性がございますのでご検討ください。

一方で、融資が増大することで将来の返済資金を担保するためには、今以上に企業として利益の確保が求められる時代となります。

今後人口減少時代が到来する日本においては、特定の成長産業以外の大きな成長は見込めず、2021年ではそのような将来を見据えて、企業はより筋肉質になっていくことが求められると考えております。

コロナが明けたあとの激動の世の中でも弊社やクライアントの皆様が勝ち残っていくために、アンパサンドは組織としてより筋肉質な体制を構築していくために 鍛 をテーマに掲げました。

個々の成長のみならず、チームで大きな力を発揮できるように2021年もアンパサンドは常に組織の最適を求めて変化をし続けて参ります。

本年もアンパサンド税理士法人をどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

◆&━━━━━━━━━━━━━━━━━
アンパサンド税理士法人
代表社員 税理士 山田典正
代表社員 税理士 大塚俊希
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令和2年度年末調整の留意点まとめ

こんにちは。

スタッフの山﨑です。

 

早いもので今年も残すところおよそ2ヶ月となりました。

例年、この時期になりますと、保険会社等から控除証明書が送られてきます。

今回はその控除証明書が必要となる手続、年末調整についてお話していきます。

 

1.年末調整とはどんな制度?

最近は日本の雇用環境が多様化しており、組織に所属せずフリーランスで働かれている方が増えていますが、依然として会社に勤務する方も多いと思います。年末調整は会社に勤務する方(一般的に「給与所得者」と呼びます)を対象に行うものです。本来は国民一人一人が確定申告をするのが一番良いのですが、そうすると税金を徴収する側(国)も収める側(国民)も事務手続が大変です。そこで、会社勤めの方は一人一人が確定申告をするのではなく、会社が従業員の税額を確定させて納税するという仕組みを採用しました。

 

※給与所得者の方でも確定申告が必要になる場合があります。

代表的なケースを以下に掲げておきます。

・2ヶ所以上から給与の支払いを受けている。

・給与の金額が2,000万円を超えている。

・副業をしていて、その所得が20万円超ある。

・寄附金控除、医療費控除を受けたい。

・住宅ローン控除を受けたい(初回のみ確定申告が必要)。

 

2.所得税の計算の流れは?

年末調整は年間の所得税額を確定させる手続きであることを確認しました。

ここで所得税の計算の大まかな流れを見ておきましょう。

(1)所得金額の計算

まず所得(「収入」と考えて差し支えありません)を10種類に分類します。会社勤めの方が会社から給料をもらえば「給与所得」に該当し、この給与の収入から給与所得控除額を控除して、給与所得金額を算出します。

(2)所得控除額の計算

所得の金額が確定したら、次はその所得金額から差し引く所得控除額を計算します。所得控除額は配偶者の有無や保険料の支払い等に応じて異なります。

(3)所得税額の計算

所得金額から所得控除額をマイナスし、その金額に税率を乗じて所得税額を算出します。住宅ローン控除等の税額控除の適用がある場合は、「税額」からマイナスすることができます。(同じマイナスするものでも、所得控除とはマイナスするタイミングが違います)

 

【 所得税の計算の流れ(給与所得者)】

 

 

3.年末調整の手続きの流れは?

所得税額の計算の流れが確認できたところで、年末調整でどのような事項を考慮していくのかを考えていきましょう。年末調整を行うにあたって必要な情報を収集する必要がありますが、大きく分けて以下の3項目となります。

(1)人的控除(所得控除のうち「人」に関するもの)

本人やご家族の状況によるものです。具体例を挙げると、配偶者控除や扶養控除です。本人やご家族の情報が必要となりますので、「扶養控除等申告書」「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」が必要になります。なお、海外にご家族がいらっしゃる場合は、「親族関係書類」「送金関係書類」を添付する必要があります。

(2)物的控除(所得控除のうち「支出」に関するもの)

支出に関するものが該当します。具体例を挙げると、生命保険料控除や地震保険料控除が該当します。確定拠出年金に加入している場合も該当します。保険会社から送られてくる控除証明書を基に「給与所得者の保険料控除申告書」を作成します。なお、個人で国民年金等を支払われている場合は、その情報も併せて記載します。

(3)その他(税額控除がある・転職をした等)

代表的な税額控除として住宅ローン控除があります。税務署から送付される「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」と「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」が必要となります。

転職をした場合は、年末時点で勤務している会社が、前職での給与を含めて年末調整をしますので、前職の源泉徴収票が必要になります。

 

 

4.手続きの流れは?

年末調整をするためには、上記3.でお話した情報・書類が必要になりますので、従業員の方に申告書の記入や書類の収集をお願いしなくてはなりません。特に今年は基礎控除額、給与所得控除額が改正された影響で、従来の様式に「基礎控除申告書」「所得金額調整控除申告書」が追加されました。(基礎控除・給与所得控除の改正については、こちらの記事をご参照ください)

年々煩雑さが増している一方で、従来は紙媒体で記入・提出をしていた上記の申告書は電子データで提出できるよう改正がされました。(年末調整手続の電子化に向けた取組について(令和2年分以降)

 

国税庁HPから年末調整用のソフト(画像はプロトタイプ版。2020年10月にマスプロダクションタイプがリリース)をダウンロードすることができ、画像の通り、年末調整に必要な書類をアプリで作成することができます。操作をした感想としては、紙にどこに何を書けばよいかを迷う必要がなくなるので、非常に楽に感じます。このアプリで作成したデータを会社へ提出し、会社は自社の給与システム等にインポートして年末調整を進めることになります。会社側も申告書に記載された控除額の検算事務が不要になり、従来は紙で保管していた添付書類をデータで保管できますので、保管コストが削減できる等、従業員側、会社側共にメリットがあります。

 

上記の電子化をするにあたって、(1) 会社側、(2) 従業員側で準備を進めていかなくてはなりません。注意が必要な点を以下に掲げておきます。(国税庁HPより一部抜粋)

 

(1)会社側

①実施方法の検討

従業員が使用する控除申告書作成用のソフトウェア(「年調ソフト」 や民間ソフトウェア会社が提供する給与システム等)の選定、電子化後の年末調整手続の事務手順をどうするかなどを検討します。

②従業員(給与所得者)への周知

保険会社等から控除証明書等データの交付を受けるための手続など、事前準備が必要であることを早期に従業員へ周知することが必要です。

③給与システム等の対応確認

従業員が提供する控除申告書データや控除証明書等データを自社の給与システム等にインポート可能かどうかを確認します。インポートができない場合には、新たな給与システムの導入等を検討します。

④税務署への届出

従業員から控除申告書を電子データで提供を受けるためには、所轄税務署長宛に「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」を提出し、その承認を受ける必要があります。

 

(2)従業員側

①年末調整申告書作成用のソフトウェアの取得

保険会社等から取得する控除証明書等データを利用して年末調整申告書データを作成するためのソフトウェア(国税庁が提供する「年末調整控除申告書等作成用ソフトウェア」など)を取得します。

②控除証明書等データの取得(マイナポータル連携を利用しない場合のみ)

保険会社等のホームページから控除証明書等のデータを取得します。

なお、②についてはマイナンバーカードをお持ちの方はマイナポータルとの連携をすることにより、控除証明書等のデータを一括取得するごとが可能になります。控除証明書が多い方は、マイナポータル連携を使った方が電子化の恩恵を受けられるでしょう。ただ、マイナポータル連携をするためにはマイナンバーカードの取得が必須です。マイナンバーカードの取得は申請から交付まで1ヶ月半から2ヶ月ほどかかるようですので、早めの準備をお勧めします。余談ですが、2020年9月1日からマイナポイントがスタートしています。年末調整の負担軽減も考えると、このタイミングでマイナンバーカードの取得を検討するのも一案かと思います。(地方公共団体情報システム機構HP)

 

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は年末調整の制度の概要から、今年から改正された電子化の手続きまでお話しました。電子化をすることによって、会社側、従業員側、双方にメリットがあります。ただ、全従業員が上記の作業が可能かどうかや、マイナポータル連携が可能な保険会社が限定(2020年9月現在で8社)されていること等を考慮すると、電子化による負担軽減の恩恵は限定的になるかと思います。いずれにしましても、年末調整の電子化される場合は早めのご準備をお勧めします。


《社内交流会①》第1回 寄附情報交換会を開催しました!

 

こんにちは。

スタッフの大滝です。

With コロナの時代において、リモートワークが当たり前になり、職員全員が顔を合わせて仕事をする機会が少なくなりました。

職員同士のコミュニケーションが希薄化してしまうのではないかという思いから、

この度、任意参加型の社内交流会を発案いたしました。

今回は、「第1回寄附情報交換会」の模様をお伝えしてまいります。

寄附情報交換会といたしましたが、なぜこのテーマを選んだかと申しますと、

 

①弊社独自の寄附手当制度の趣旨を理解したい。

②職員各自の寄附手当の使い道(寄附先)を知りたい。

③職員がどんなことに関心があるのか知りたい。

 

という3点の目的がございました。

 

寄附手当ってなんだろう?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

まずは、弊社の寄附手当制度について、簡単にご説明いたします。

 

~寄附手当とは~

アンパサンド独自の制度で、毎月1,000円~3,000円の手当が全職員に支給され、各自が好きな任意の団体へ寄附する制度です。

弊社では、公平で豊かな社会を構築するための社会への価値提供を最大のミッションとしており、

寄附という行為を通して全職員に社会への貢献を意識する。という代表の想いがあります。

また、公益団体への寄附税制の対象となるため、それにより全職員が自ら確定申告を経験する。という意図もあります。

 

 

1.寄附金税制について

まず初めに、寄附金税制について整理していきました。

個人が支出した寄附金は、確定申告を行うことで、所得税・住民税の還付を受けることができる場合があります。

一方、法人が支出した寄附金は寄附先の区分により、一定の限度額または全額が損金に算入できます。

整理した内容を表にまとめましたので、参考にしてください。

 

【所得税・法人税・住民税の寄附金税制の比較】

「どんな団体への寄付」かによって、税額控除の計算方法や金額が異なる仕組みになっています。

 

 

2.寄附手当の使途先と職員の関心ジャンル

 

続いて、参加した職員より、

 

⑴職員が行っている寄附

⑵今後寄附を考えている寄附先・関心のあるジャンル

 

を発表していただきました。

その中のいくつかをご紹介いたします。

 

⑴職員が行っている寄附先

 

地方団体への寄附(ふるさと納税)

特定NPO法人Learning for All … 子ども・教育関係

NPO法人KATARIBA … 子ども・教育関係

若者メンタルサポート …メンタル支援

一般社団法人たからばこ … 障害児支援

ダイアログ・イン・ザ・ダーク …視覚障がい体験イベント企画

一般社団法人震災復興支援協会つながり …災害救援活動

一般社団法人ペットの里 … 動物保護

NPO法人HERO … カンボジア支援

社会福祉法人墨田区社会福祉協議会

などなど

 

 

印象的でしたのが、参加者の半数以上が地方団体への寄附(ふるさと納税)を行っていたことです。

目的はそれぞれですが、「ふるさと納税を通して団体への寄附ができるから」、「自分または家族の出身地だから」、

また「返礼品が魅力的だから!」などが挙がりました。

 

ちなみに、私もふるさと納税を3年ほど行っておりますが、

直近では「アザラシの保護」に使っていただけることを知り、北海道紋別市へのふるさと納税を行いました。

 

⑵今後寄附を考えている寄付先・関心のあるジャンル

 

上記をうけて、弊社職員が関心のあるジャンルを集計して、図にいたしました。

 

 

実際に行っている寄附先と結びついていることがよくわかります。

普段から、「困っている人、場所、もの」に対して自分は何ができるか。という意識や、

自身の実体験から支援をしたいという考えを持つ職員が多いように思います。

 

3 寄附情報交換会を終えて

アンパサンドの寄附手当制度に惹かれ、ここで働きたい!と強く思い、

入社してから3か月が経ち、このような会を開催することができました。

寄附先の情報交換はもちろん、職員の関心事を知るきっかけとなり、

情報交換会+交流会の2つの要素を満たすとても有意義な時間となりました。

 

また、本会でも話題に挙がりましたが、日本では、寄附という文化があまり浸透していないように感じます。

寄附に興味があっても、「どこに寄附したらいいかわからない」、「手続きが大変なのではないか」、

「きちんとした目的で使ってもらえるのか」等、様々な不安により行動できない方もいらっしゃると思います。

私もその一人で、寄附情報交換会を発案しておきながら、寄附活動はまだ行えていませんが、

まずは自分の関心のあることを調べることから始めてみます。

寄附はあくまで手段であり、目的を持つこと、そして社会で何が起こっているかを理解することを、

自分の寄附活動への指標として掲げようと思います。

 

今回の交流会は、任意参加型で終始、和やかな雰囲気で楽しい交流ができました。

また、機会を見つけ、ぜひ開催したいと思います。


2020年3月より郵便局錦糸町駅前支店にてCM配信

こんにちは。

税理士の山田でございます。

 

この度2020年3月より錦糸町駅前郵便局にてCMの配信を開始しました。

相談者様の想いに寄り添って、相続・税金周りのお悩み事を解決します。

相続業務に関しては、経験豊富な税理士が直接対応することがアンパサンドの強みです。

まずはお気軽にご連絡くださいませ。

 

どうぞ宜しくお願い申し上げます。


新年の挨拶と2020年のテーマ

新年あけましておめでとうございます。

税理士の山田です。

 

新年が明けまして2020年となりました。

2020年はオリンピックイヤー。どんなオリンピックになるのか今から楽しみです。

 

一方でゴーン被告が海外逃亡という衝撃的なニュースが昨年末に飛び込んできました。

レバノンと日本では犯罪人引き渡し条約がないために、ゴーン被告を日本に連れてくることは困難であると言われています。日本にいなければ裁判の継続が不可能ですから、日本の法律で裁くことは出来ません。ある意味では法律の力が及ぶ範疇を超えてしまっています。

 

同じ税法という法律を扱う立場として、法律の限界を感じる事件でもあります。日本では租税法律主義と言って、何人(なんびと)も法律の根拠がなければ、租税を賦課されたり、徴収されたりすることがないとする考え方、を採用しています。

当然と言えば当然ですが、法律はあくまで手段であり、秩序を保つために法律が作られています。全ての法律が正しく作られているかというとそんなことはなく、特に税法に関して趣旨に反して課税されてしまうケースや、趣旨に反して逆に課税されないケースもあります。憲法第30条では、「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う」と定められていますので、毎年税制の改正が行われています。それだけ、税法という法律は国の統治において重要な法律です。

 

税法を扱う立場として個人的な生涯の目標として、『日本の税制改正に関わることで日本の税金をよりシンプルにする』ということを掲げます。今後は情報の発信をより積極的に行っていき、メディアからの取材や寄稿・出演など積極的に行っていきたいと思っています。

 

また、2020年アンパサンドのテーマは『感動が生れる仕事』を掲げます。

 

好きなコンサルタントの言葉で、『クライアントは自らのニーズを解っていない』という言葉あります。クライアントが自ら気付いていなかったニーズに応えるサービスをしたとき、期待を超えたサービスを受けた時に感動は生まれると思っています。

 

『覚えていてくれたんですね』『そんなことまで知っているんですね』『対応がめちゃくちゃ早いですね』『良い提案をして頂いてありがとうございます』こう言った言葉を頂いたときに感動は生まれていると思います。

 

人間ですので、100%完璧な仕事をすることは出来ません。ミスをすることも必ずあります。如何にミスが無い仕事をするか、ということはもちろん大事なのですが、&でプラスアルファの価値を感じて貰える仕事をすることがアンパサンド(&)の価値です。

 

また、経理代行や税務申告代行という業務は、自己満足の仕事になりがちです。自分が良いかどうかではなく、相手にとって良いかどうか、という尺度で、より良いサービスを追求して参ります。

 

2020年もアンパサンド税理士法人をどうぞ宜しくお願い申し上げます。


【組織変更】法人化のご案内

この度、アンパサンド税理士事務所は令和元年10月1日より

アンパサンド税理士法人に組織変更を致します。

平成27年1月に山田典正税理士事務所として独立開業してから4年と9カ月

平成30年1月より税理士の大塚が合流しアンパサンド税理士事務所に

商号を変更致しましたが、この度は法人化をすることで

組織としてアンパサンド税理士法人のサービス向上に努めて参ります。

我々は今後も引き続き以下のことを理念に掲げます。

 

 

【経営理念】

私たちは、高い専門性と柔軟なサービス力で

お客様の過去(会計)と未来(経営)を紡ぎ、

公平で豊かな社会の構築に貢献します。

 

【行動指針】

私たちは7つの(アンパサンド)を遵守して行動します。

& プロフェッショナルとしての研鑽を重ねつつ、ゼネラリストとしての視野の広さを持つ

& 企業を守る高いコンプライアンスを持ちつつ、攻めの提案を惜しまない

& 法律に関しては厳格な態度を貫きつつ、お客様に合わせた柔軟なサービスを提供する

& 税理士として最高水準の知識を磨きつつ、幅広い最新情報をどん欲に集める

& お客様の伝統・文化を重んじつつ、最先端のツールで生産性を上げる提案をする

& お客様の利益の最大化を優先しつつ、社会の最適化も常に意識する

& メンバーの一人ひとりが能力向上に最大の努力をしつつ、自身と家族の幸せを何よりも優先する

 

今後も社員一同、皆様のさらなる発展に貢献して参りますので

何卒引き続きご支援ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます

 

アンパサンド税理士法人

代表社員 山田典正

代表社員 大塚俊希


人材募集のご案内(税理士・税理士候補)

こんにちは。

人材募集のご案内です。

 

当事務所では業務拡大に向けて人材(正社員)を募集致します。

 

条件は以下の通りです。

<項目> <条件>
仕事内容 税務顧問業務(会計ソフトの入力補助)
税務申告書作成業務
中堅企業の月次監査補助業務
上場企業等の四半期決算補助業務
補助金・銀行融資の支援補助業務
事業計画の作成補助業務
勤務地 東京都墨田区太平3-4-1 YSビル2階
※錦糸町駅北口より徒歩5分
給与 年収400万円~(業務担当に応じて応相談)
勤務時間帯 午前10時~午後6時(12時~13時まで休憩60分)
※ 状況に応じてフレキシブルに対応可能ですのでまずは相談ください
出勤日 週5日勤務
休日 土日祝日、年末年始・夏季休暇、年次有給休暇
待遇 交通費全額支給、社会保険・雇用保険に加入
経験 おおよそ会計事務所を3年以上経験の実務レベルを有する
その他① 独立思考が強い人は大歓迎します。独立する際には、顧問先に選択して頂いたうえで、問題がなければ引き継いでの独立を支援します。(3年程度の勤務が条件)
その他② DVDによる研修ツールあります。その他意欲があれば外部の研修も進んで参加して頂きます。
その他③ 当事務所では通常の会計事務所よりも幅広い業務を行っております。スキルアップしたい方、やる気がある方はどんどん新しい業務を経験して頂きます。

 

当事務所は開業3年半の会計事務所でこれから業務拡大をして参ります。

現在の会計事務所業界は変革期にあり、今後生き残れる事務所は

『人員増加により効率化を図る事務所』『差別化が出来る事務所』のいずれかです。

 

当事務所としてはお客様の経営に対して、会計事務所の枠を超えた

より深い経営支援が出来る会計事務所を目指しています。

 

中小企業の経営者にとっての良きパートナー、会社の社外CFOと感じて頂けるような

より深い関与を目指して、常に新しいことに挑戦していく所存です。

 

そのためのお手伝いをして頂ける方を探しておりますので、

以下のような方については特に大歓迎致します。

 

・新しいことにどんどんチャレンジしたい方

・会計事務所の現在の業務対応に疑問を感じている

・中小企業経営者の役に立つ仕事・感謝される仕事がしたい

・これから成長する事務所で自身も共に成長していきたい

・将来的に独立を目指されている方(独立を支援します!)

 

また、当事務所ではお客様の規模も様々で、上場企業や海外展開をしている中堅企業の税務顧問、

創業企業の融資支援や補助金支援、システムを利用した業務改善フローの改善提案、

中堅企業の事業承継コンサル、相続税申告、相続対策提案、等々、様々な業務を行っております。

 

当事務所の考えに共感して共に歩んでいただける方、

将来的に独立するためのスキルアップをしたい方、歓迎致します。

もしくは、これから独立開業を目指す税理士の方については

業務委託という形での柔軟な働き方も歓迎します!

 

まずはお気軽にお問い合わせください!

 

アンパサンド税理士事務所

担当 山田典正

03-6240-4706