【社内勉強会①】消費税の基本的な考え方を学ぼう

【社内勉強会①】消費税の基本的な考え方を学ぼう

こんにちは。

スタッフの大滝です。

2020年6月にアンパサンド税理士法人に入社しました。

アンパサンド税理士法人では、社内勉強会という制度があります。

税理士事務所での仕事は未経験…そんな私が社内勉強会で税務や会計について学んだ知識を

「税務未経験者の視点 」でまとめた内容を掲載させていただきます。

現在、経理や税務に関わるお仕事をされている方、またはこれからお仕事に就く方へ向けて、お役に立つ内容となれば幸いです。

 

~社内勉強会とは~

毎月1回、テーマを変えて勉強会を行っております。

勉強会というと、堅いイメージがありますが、弊社の勉強会は職員が意見を交える場というイメージが合います。

税理士や会計士資格を持つ職員との意見交換や実務で感じた小さな疑問も解決でき、有意義な時間となります。

 

早速ですが、今回は「消費税」について基本的な内容を記載いたします。

 

1 消費税の仕組み

消費税というと、勝手ながら「生活する上で一番身近な税金」という印象がありました。

日々の買い物、外食等…様々な場所で消費税を負担しています。

しかしながら、買い物や外食等で負担した消費税は、どのように国に納付されているのでしょうか。

そこで、まずは消費税の仕組みを整理してみます。

 

私たちが買い物等で負担した消費税は、事業者が税務署に納付するという仕組みを取っています。

消費税は「間接的に納める」という特性から間接税と分類されます。

 

つまり、消費税の特徴は、以下の2点ということがわかります。

①消費税を負担する人=消費者

②消費税を申告・納付する人=事業者

 

一方で、事業者自身も仕入れ等の段階で消費税を負担しています。

事業者が支払った消費税はどのように納付するのでしょうか。

原則として、消費税は以下のような方法で計算します。

 

なぜ、このような計算の仕方をするのでしょうか。

それでは、ここである取引の流れで見てみましょう。

 

例1:日本の消費者がB社からパソコンを購入する取引

 

●A社視点

B社へパソコンを税抜き100,000円で販売します。B社から預かる消費税は10,000円です。

もしも、仕入れがなければA社は、10,000円を納付します。

●B社視点

A社からパソコンを税抜き100,000円で仕入れます。A社が支払う消費税は10,000円です。

そして、消費者へパソコンを税抜き120,000円で販売します。消費者から預かる消費税は12,000円です。

B社は、消費者から預かった消費税12,000円と、A社へ支払った消費税10,000円がある為、

納付する消費税額は差額の2,000円となります。

●消費者視点

B社からパソコンを税抜き120,000円で購入します。支払う消費税は12,000円です。

私たちが負担している消費税はこちらです。

 

上記をもとに、最終的に国に納付される消費税は、A社の10,000円とB社の2,000円を合計した12,000円ということが解ります。

消費者が負担した消費税額と同額になりますね。

 

2 消費税の判定

続いて、消費税の判定方法について整理しました。以下のフローチャートをご覧ください。

 

⑴課税取引

消費税の課税対象は、国内において、事業者が事業として、対価を得て行う資産の譲渡等とされています。

これに当らない場合は、消費税は課税されません。

⑵不課税取引

主に、国外取引や対価を得て行うことに当たらない寄付や単なる贈与、出資に対する対価が該当します。

⑶非課税取引

消費税の性格や社会政策的な配慮などから非課税とされています。(図中の限定列挙)

⑷免税取引

課税事業者が輸出取引や国際輸送などの輸出に類似する取引として行う商品の販売やサービスの提供が該当します。

参考URL: https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_3.htm

 

3 免税店での販売の仕組み

消費税には、免税店という制度があります。

免税店とは非居住者(外国人旅行者等)に対して生活用品等を販売する場合に、

消費税を免除して販売できる制度のことを指します。

免税店の登録は、納税地の税務署へ許可申請が必要です。

 

ここまでの内容を踏まえて、例1をもとに、《B社が免税店だった場合》に消費税の仕組みはどのようになるのか

という疑問を抱きました。

この場合の消費税の仕組みを考えてみます。

 

例2:外国人の消費者がB社からパソコンを購入する取引

 

 

 

例1の取引とは、

・B社が免税店であること

・免税取引を想定している為、消費者は外国人であること

が異なります。

 

●A社視点

B社へパソコンを税抜き100,000円で販売します。B社から預かる消費税は10,000円です。

もしも、仕入れがなければA社は、10,000円を納付します。

●B社(免税店)視点

A社からパソコンを税抜き100,000円で仕入れます。A社が支払う消費税は10,000円です。

そして、消費者へパソコンを120,000円で販売します。消費者(外国人)からの消費税の預りはありません。

B社は、A社へ支払った消費税10,000円の還付を受けることができます。

上記のように、受け取った消費税より支払った消費税が多い場合には、払いすぎているので消費税の還付を受けることができます。

●消費者(外国人)視点

B社からパソコンを120,000円で購入します。消費税は免税です。

 

A社は10,000円の消費税を納付する一方で、B社は同額の還付を受けられます。

つまり、この取引で消費税の負担は発生していないことになります。

 

 

4 まとめ

今回は、消費税の基本的な内容を整理しながらまとめました。

勝手ながら身近に感じていた消費税ですが、仕組みを理解することで、日々の買い物等で負担した消費税の行き先を意識するきっかけとなりました。

勉強会では、基本的な内容を学習した上で、「こういう場合はどのように考えられるか」等、様々な意見が飛び交います。

テーマに沿った知識を得るだけでなく、思考力を高めることができます。