アンパサンドの全体MTGと勉強会|2026年11月の取り組みを紹介
こんにちは。税理士の山田です。
アンパサンドでは毎月1回、メンバー全員が集まる「全体MTG」と「勉強会」を開いています。ねらいは3つです。
- 学んだことを言葉にして、チームの財産にする
- ミスを個人の注意力ではなく、仕組みで防ぐ
- 働きやすさを毎月見直す
今回は、2026年11月4日に開いた全体MTGと、年末調整の勉強会の様子を紹介します。税理士事務所への就職・転職を考えている方に、アンパサンドの「ふだんの仕事の進め方」を知っていただければうれしいです。
1.全体MTGの1日の流れ
全体MTGは10時30分から16時00分まで、ランチをはさんで開きます。今回のおもな内容は次のとおりです。
| 時間帯 | 内容 |
|---|---|
| 午前 | 月間目標の振り返り/今月のマインド/事務所ルール・ツールの共有/決算業務の確認/メンバーのアウトプット発表 |
| 昼 | 全員でランチ |
| 午後 | 課題動画の振り返り/年末調整の勉強会 |
2.一人ひとりが「月間目標」を振り返る
MTGの最初に、全員が1人30秒から1分で、先月立てた目標の振り返りを話します。今回出てきたテーマの一部を紹介します。
- AIツールを実務で試し、使える場面と使えない場面を整理した
- 計算ミスをきっかけに、時間を置いてから見直す習慣をつけた
- 税理士試験に向けて消費税法の勉強を続けている
- AIの講座を受講し、学んだ内容を業務に取り入れ始めた
- 中小企業のM&Aに関する検定の勉強を始めた
- 仕事の考え方を深めるために、ビジネス書や小説を読んだ
短い時間ですが、毎月続けることで「誰が何に挑戦しているか」が自然と共有されます。うまくいかなかったことを話せる場であることも大事にしています。
3.今月のマインド「要求定義と要件定義」
毎月1つ、仕事に向き合う考え方をテーマにしています。今月は「要求定義と要件定義の違い」でした。
たとえ話として使ったのは、銀行強盗の話です。犯人が「5,000万円と逃走用の車を用意しろ」と言ったとします。これは表に出てきた「要件」です。ただ、本当に求めているのは「足がつかないお金」と「確実に逃げられるルート」です。これが「要求」です。
顧問先からのご依頼も同じです。言葉どおりに作業するだけでは、期待を超えることはできません。依頼の裏にある目的を確かめることで、ムダな作業が減り、本当に役に立つ提案ができます。
4.メンバーによるアウトプット発表
アンパサンドでは、毎月1人がアウトプット発表を担当します。経験を振り返り、学びを言葉にして次に活かす「経験学習」の考え方を取り入れたものです。今回の発表では、次のような工夫が紹介されました。
- 紙の資料が多い顧問先で、OCRツールを使って会計ソフトへの取り込みを効率化した
- AIアシスタントを使って、文章の作成や長文の要約にかかる時間を減らした
- 返信が遅れがちな顧問先には、1週間ごとに伝え方の強弱を変えながら連絡し、資料を確実に回収した
発表のあとは、その場で「この方法も試せるのでは」という意見が出て、次に検証するテーマが決まりました。新しいツールに挑戦し、従来のやり方と比べて改善する姿勢を、事務所として評価しています。
また、ある顧問先では、チェック担当と作業担当の2名が日々やり取りを重ねながら、支払い・給与計算・振込の業務を約3か月続けてきました。担当者同士のこまめな情報共有が、品質を支えています。
5.ミスを「仕組み」で防ぐ
全体MTGでは、決算業務の進め方も毎月見直しています。今回の主な変更点は次のとおりです。
- 決算チェックリストと消費税の計算シートを改訂し、経過措置や中間納付の試算などを計算式で反映できるようにした
- 決算の前と後に、1年分の消費税の税区分を全件チェックする流れを加えた
- 固定資産台帳は、最新版と時系列の版を申告書フォルダに保存するルールにした
- 決算前ミーティングで、税額控除や設備投資の確認漏れがないかを振り返る項目を整理した
「気をつける」だけでは、ミスはなくなりません。チェックリストや計算シートに落とし込み、誰が担当しても同じ品質になるようにしています。
6.課題動画の振り返り
ランチのあとは、「課題動画」の振り返りです。2022年3月から続けている取り組みで、毎月1本、仕事に役立つ動画を全員で視聴します。テーマは「マインド」「スキル・テクニック」「習慣」の3つから選びます。
進め方は次のとおりです。
- 動画を見て、内容の要点と感想を共有のスプレッドシートに書く
- あわせて「日々の仕事でどう取り組むか」を書く
- 全体MTGで、一人ずつ口頭で振り返る
- 翌月に「実際にやってみてどうだったか」を書き足す
今回は、10月の課題動画「アイデアの作り方~発想を生み出す3ステップ~」を振り返りました。アイデアは既存の要素の組み合わせであり、①情報をインプットする、②頭の中で分解・整理する、③一度離れて寝かせる、の3ステップで生まれる、という内容です。
振り返りでは、「ひらめいたらすぐメモを取る」「現状を要素に分解してから考える」といった、明日から使える取り組みが出ました。私自身は、法律・通達・判例・書籍・WEB情報など、情報の重みに階層をつけて整理すること、資料のドラフトを作ったら日を空けて見直すことを挙げました。ランニング中にアイデアが浮かぶことが多いので、意識して「離れる時間」をつくっています。
見て終わりにせず、書いて、話して、翌月に振り返る。この流れを毎月くり返すことで、学びが日々の仕事に根づくようにしています。11月の課題動画は「コミュニケーションエラーを防ぐ文章のコツ」です。12月は、各自が選んだ課題図書の感想を発表します。
7.年末調整の勉強会

午後は、年末調整の勉強会を開きました。今年初めて年末調整を担当するメンバーもいるため、事務所の進め方のおさらいも兼ねています。内容は次のとおりです。
- 事務所の業務基準をもとにした資料で、全体像とスケジュールを確認
- 令和8年分の改正点を確認し、事務所としての処理方針をそろえた
- 顧問先へのご案内に使う定型文(10種類)の使い分けを確認
- クラウドの年末調整システムを使い、実際の設定手順を画面で実演
今年からは、紙のチェックリストを原則として廃止しました。控除申告書はシステムで集め、チェックも電子データで行います。作業担当者が計算したあと、別のメンバーがチェックする二重確認の体制は変わりません。
勉強会の途中でも、「確定申告をする従業員はどう扱うか」といった実務の疑問が次々に出ました。その場で結論を出し、全員で同じ判断ができるようにしています。
8.働きやすさを支える仕組み
全体MTGでは、働き方に関するルールや制度も毎月確認しています。
| 取り組み | 内容 |
|---|---|
| 有給休暇 | 取得率100%を目標に、計画的に取得 |
| 寄付手当 | 年4回支給(毎年の制度)。NPOなどへの寄付を通じて、社会を広く知るきっかけにする |
| 宿泊施設の利用 | 自然の中の宿泊施設「SANU」を、1人あたり年3泊まで利用可能 |
| 健康 | 健康ドリンクの支給、年1回の健康診断 |
| 備品 | 健康や作業効率につながる備品は、相談のうえ購入 |
| 資格取得 | 資格試験に関する社内制度 |
| 面談 | 半年に1回の面談で、目標と評価を確認 |
寄付手当は、アンパサンドならではの制度です。税理士は数字を通じて社会と関わる仕事です。さまざまな立場の人の状況を知ることは、社会を見る解像度を上げ、結果として仕事にも活きると考えています。
9.ITとAIの活用
アンパサンドでは、手入力や紙の作業を減らすために、ツールの導入を積極的に進めています。
- Google Workspaceで、アカウントや会議の記録を一元管理
- 社内のやり取りはSlack。相談事例はAIで整理してFAQとして配信
- 社内向けのAIアシスタントを導入し、調べものや文章作成に活用
- OCRツールで、紙の資料や通帳の取り込みを効率化
- 新しいツールは毎月の勉強会で使い方を共有
ツールは入れて終わりではありません。全体MTGで使い方や検証結果を共有し、事務所全体のやり方として定着させています。
10.まとめ
アンパサンドが大切にしているのは、「人を仕事に当てはめるのではなく、人が仕事を考える」ことです。毎月の全体MTGと勉強会は、一人ひとりの学びや工夫を、事務所全体の力に変えるための場です。
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